本命候補は小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長とみられている。1946年11月18日生まれの67歳で、対抗は新浪剛史・ローソン会長。新浪氏は55歳であり、「50代でももちろんいい」という条件にもかなっている。
4月28日付日本経済新聞夕刊に寄せた記事(『あすへの話題』)で小林氏は、「情報が動き回るだけでなく何かでつながるようにもなり、ハイパー・コネクティッドな状態になった」「アスリートが『心技体』と言うように、企業はサステナビリティ、テクノロジー、マネーの3要素でバランスを取らなくてはならない」と持論を展開している。小林氏には日頃からこうした発言が多くみられ、財界からは小林氏を「評論家」と評する声も多い。
後任候補の人選は、長谷川氏ら13人の役員で構成する選考委員会で行う。本年度から2回目の副代表に就任した金丸恭文フューチャーアーキテクト会長兼社長が、次期代表幹事候補に浮上しているとの見方もある。金丸氏は経済同友会の存在意義を見直す「同友会の将来ビジョンを考えるPT(プロジェクトチーム)」の委員長に就任。安倍晋三首相や長谷川氏とも良好な関係だ。
もう1人の候補は、建材・住宅設備機器の最大手、LIXILグループの藤森義明社長兼CEO。藤森氏は米ゼネラル・エレクトリック(GE)での経歴が長い国際派だ。日商岩井(現・双日)からGEに転じ、同社副社長を経て、LIXILのトップに迎えられた。日本では数少ない「プロフェッショナルCEO」といわれている。
このほかにも、現役の副代表幹事ではなく、副代表幹事OBの中から選ぶという選択肢も囁かれているが、代表幹事選びは、これから終盤を迎え本格化する。
(文=編集部)