ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 三菱東京UFJ銀行ニュース > シティ銀売却、応札6行の狙いは?  > 2ページ目
NEW

シティ銀個人部門売却、慢性赤字でも応札した6行の狙いは?様子見続く、交渉難航も

文=編集部
【この記事のキーワード】, ,

●魅力あるカード事業

 もう1つの狙いは、シティ傘下のダイナースクラブカード事業である。シティ銀は、個人部門とダイナースなどカード事業とのパッケージでの売却を打診しているとされる。ダイナースは国際カードの草分けで、2000年にシティコープ(現シティグループ)が買収したが、リーマン・ショックによるシティの経営不振で、08年に国際カード4位のディスカバーに売却した。日本では売却後もフランチャイズ権を得たCCJ(シティカードジャパン)がダイナースクラブカード事業を担ってきた。

 ダイナースはセレブ層をターゲットにした、高いステータスのクレジットカードとして有名であり、利用限度額は制限なし。海外旅行保険と国内旅行傷害保険は最高1億円、ショッピングのリカバリーは年間500万円まで補償される。そのため入会審査は厳しい。以前は「年齢33歳以上、勤続10年以上の役職者また自営10年以上の方、自分の家保有の方」だったが、最近では入会のハードルが低くなり「27歳以上の方」とだけ記載されているが、厳しい審査が行われている。

 日本ではダイナースはステータスとブランド価値があり、収益性も他のクレジットカードより高いとされ、カード事業は今後成長が期待される分野でもある。

 金融筋は「シティ側が示す条件では、交渉は難航する恐れがある。店舗や従業員を受け入れるのも難しい。売却前に合理化を済ませるなどの条件をつけた銀行もある」と明かす。3メガバンクは、売却の条件や資産内容を精査する目的で応札したという。特に業界上位の外貨預金を持つ新生銀行は、買収に前向きといわれている。システム面でも新生銀はシティ銀と親和性が高い、という指摘もあり、富裕層が多いとされるシティの顧客をそのまま引き継げるなら、新生銀にとってメリットは大きい。三井住友信託銀行を傘下に持つ三井住友トラスト・ホールディングスも富裕層を狙っている。また、3メガバンクでは三菱UFJがどう動くかで、大きく局面が変わってくるとみられている。6行横にらみの状態からどの邦銀が抜け出すのか、各行間で静かな綱引きが始まりつつある。
(文=編集部)

【続報】
 新生銀行の動向が注目される理由は人とシステムにある。新生銀行のリテール総括役の個人部門長はシティバンク出身。システムもシティバンクと同じインドのベンダーが開発しており、親和性が高い。新生銀行にシティバンク銀行の個人部門が加われば純利益が10%程度増加するとの見方もある。シティバンク銀行は第1次入札に参加した大手6行のほか、ネット銀行や横浜銀行など地方銀行を含めて10行程度に売却を打診した。今回の1次入札に参加した6行から数行に絞り込み、2次入札を行い、年内にも売却先を決める段取りとなっている。

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

シティ銀個人部門売却、慢性赤字でも応札した6行の狙いは?様子見続く、交渉難航ものページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!