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サークルKサンクスは、かつてファミマと合併寸前までいったが破談になった過去を持つ。その後、ファミマはサークルKサンクス獲得を決して諦めていなかった。昨年夏、ファミマがサークルKサンクスに対してアイスコーヒー用の氷を融通したことが評判になった。いまやコンビニの定番はレジ横の淹れたてコーヒーであり、夏のアイスコーヒーに欠かせないのがカップ入りの氷だ。氷を確保できなかったサークルKサンクスのために、ファミマが氷メーカーの製造ラインの一部を明け渡した。業界では「再編に向けエールを送った」と受け止められた。
●経営統合の予兆
ファミマとユニーGHD経営統合の橋渡し役となったのは伊藤忠商事。ユニーGHD株式2.9%を保有する第3位の大株主でファミマの親会社だ。伊藤忠が動けば、一気に再編の気運が高まるとみられていたが、ファミマとユニーGHDの首脳は近くトップ会談を開き、共同で設立する持ち株会社の傘下にファミマとサークルKサンクスが入るかたちでの経営の一本化を目指す。
今回の経営統合の予兆はあった。経営不振の責任を取り、ユニーGHDの前村哲路会長と中村元彦社長が3月1日付けで相談役に退いた。新しい社長には事業子会社ユニーの社長である佐古則男取締役が昇格した。
記者会見した前村氏は「結果責任を取った」と述べ、今回の人事が引責辞任であることを明言した。持ち株会社の権限を弱め、意思決定を傘下の事業会社に任せる現場主義に戻す。佐古氏は事業会社ユニーの社長を引き続き務める。
経営統合交渉はファミマの中山勇社長とユニーGHDの佐古社長のトップ会談で始まり、その後、役員クラスによる統合準備委員会がつくられることになる。
(文=編集部)
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