「キンプリカレンダーが新潮社から」の衝撃…ゴシップをめぐる芸能プロと週刊誌の攻防戦
どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。
芸能マネージャーとして働いていて、やっぱり怖いのが“文春砲”をはじめとする、スキャンダル記事。特に最近は、写真週刊誌のパパラッチだけでなく、一般の人もみんなスマホですぐ写真を撮ったり動画を撮影したりと、すべての人が“ネタ元”となる可能性を秘めているので、業界人としては本当に気が休まらないです。
2016年のベッキーのゲス不倫報道、ショーンK問題で“文春砲”という言葉を世にイヤというほど知らしめた「週刊文春」は、編集部への情報提供、つまり“タレコミ”をウェブ上で簡単にできる「文春リークス」というサイトを2014年からオープンさせており、そこから大スクープに繋がった記事もたくさんあるみたいです。今年の5月に報道された原田龍二さんの“4WD諸国漫遊不倫”も、「文春リークス」に不倫相手が情報を持ち込んだそうですからね。しかも、一人だけじゃなく複数の女性からの情報が集まってたとか。恐るべし「文春リークス」! まああれは、関係のあった女性たちにそこまでの恨みを抱かせた原田龍二さんがすごすぎるんですが(笑)。
文春さんって、ネタをもの長〜く寝かせることもあるんですよ。長い時間かけて取材して証拠を押さえて、いつでも発表できる状態のネタを、一番いいタイミングで“文春砲”として炸裂させるために、じっと待ってる。ターゲットが連ドラ初主演が決まって注目されたり、人気がブレイクする瞬間を狙っているんです。
今年の年明け早々、昭和歌謡グループ“純烈”の友井雄亮さんによるドメスティックバイオレンス問題が報じられたのも、グループの悲願だった『NHK紅白歌合戦』初出場を遂げ、人気がピークに来たタイミングでしたからね。
もちろん、寝かせている間にそのネタをほかの週刊誌が発表しちゃったり、旬を逃してお蔵入りしてしまったネタも数えきれないくらいあるそうです。それでも焦らずに自分たちのスタイルを貫いているようで、文春さんってやっぱりすごいし、もう本当に怖い!
芸能人は、プライベートも含めて商売
僕も芸能マネージャーという仕事を長年やっていますから、タレントから「俺、今、(写真週刊誌に)直撃されちゃった……」なんて電話を受けたことも何度かあります。
その時点では何が起きているのかタレント当人もわかってないし、週刊誌の編集部がどの程度の情報をつかんでいるかも把握できないので、僕ら芸能プロダクション側がやれることって、特にメディアに対してはあまりないんですよね。とりあえず、直撃してきた編集部の知り合いに、「今うちの○○に直撃したみたいだけど、何探ってるの?」なんて探りを入れるか、あるいは向こうからの連絡を待つしかない。
その後の対応は、もちろん各事務所の方針やそれぞれのケースによって変わってくるんだけど、僕としては「真実を書かれるのはしょうがない」というスタンス。やっぱり嘘はいけません。今話題の雨上がり決死隊・宮迫博之さんの“闇営業問題”の件も、結局はたったひとつの嘘から始まっているわけでからね。
たとえば、向こうが調べ上げて確認しにきた内容がその通りだったら認めるしかないし、まったく間違っているようだったらもちろん否定する。だって本当に真実だったら、タレント本人も納得して反省するしかないんですよ。記者さんたちもそれが仕事なわけで、しっかり取材してきて間違ったことが書いてなければ、残念ですが、そこは戦えない。それにやはり、芸能人はプライベートのイメージも含めて評価されるビジネスですからね。「芸能人のプライベートは報じるべきではない」と、当の本人たちが言いたくなる気持ちもわかるんですが、「人間」を売っている商売なわけですから。もちろん、メディアさんがやっていいこととそうじゃないこととのバランスは見極めなければいけませんが……。