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広末涼子・不倫相手「恋文」を精神科医が分析…不倫した俳優を袋叩きにする弊害

文=Business Journal編集部、協力=片田珠美/精神科医
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hirosue_staffのInstagramアカウントより

 不倫騒動の渦中にいる女優の広末涼子とフレンチレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作氏。14日に2人はそれぞれ自身のSNS上で不倫の事実を認めて謝罪。広末の所属事務所・フラームは、広末を無期限謹慎処分にすると発表し、事態はいったんは収束に向かうとみられたが、15日発売の「週刊文春」(文藝春秋)は、2人が継続的にかわしていた交換日記形式のラブレターの内容を公開し、世間の関心を集めている。

 先週発売の「文春」で第一報が報じられた、ともに配偶者・妻子がいる人気女優とミシュラン一つ星シェフの許されぬ恋。広末は現在、キリンビール「本麒麟」、エドウィン、日本和装、「LegalForce」などを提供するLegalOn Technologiesの計4社とCM出演契約中だったが、報道を受け全社がウェブ動画の削除などの対応を実施。現在放送中のNHK連続テレビ小説『らんまん』(NHK)では主人公の母役で出演していたが、すでに収録済みのシーンがあるともいわれている。このほか、未発表の映画で主演を務める予定だったが、降板が決定したという情報もある(13日発売「女性自身」光文社より)。

 そこで注目されているのが、広末にのしかかる違約金・損害賠償金の金額だ。「数億円」との報道もみられるが、2020年に道交法違反などの疑いで逮捕され不起訴処分となった俳優の伊藤健太郎は、21年に出演した『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)内で、発生した賠償金が7億9000万円だと報じられている件について触れ「規模的にはそれぐらい」と告白。また、13年に不祥事が原因で活動停止に入ったタレントの矢口真里は、違約金を全額、自身で支払ったことを明かしているが、14年に出演した『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)内で、違約金について財産がゼロになってしまう恐れを抱くレベルだったと語っている。

「20年に俳優の東出昌大が不祥事を起こした際、当時の所属事務所が負担した違約金は5億円には満たない金額だったといわれている。伊藤の場合は収録済みのドラマの撮り直しなどが発生したため、高額になった。広末クラスの女優でCM4社の契約金が計1億円くらいだと仮定すると、違約金がそれ以上になることはないと考えられるので、もし撮影済みのドラマや映画で撮り直しなどが発生しなければ、1億円くらいで済むのでは。一時的に負う金銭的な罰という面だけ考えれば、広末にとってはそれほど痛い金額ではない」(テレビ局関係者)

早稲田大学教育学部への自己推薦入試での合格が転機

 もっとも、今後の芸能活動におよぶ影響は大きく、将来にわたって被る事実上の損失は計り知れないが、そんな広末に危機が訪れたのは、実はこれが初めてではない。

 1994年に芸能界入りした広末は、翌年にCM、ドラマデビュー。そして96年に出演したCM「広末涼子、ポケベルはじめる」(NTTドコモ)で一躍有名になり、同年に発売した写真集『H』と『R』(ともに集英社)もベストセラーに。97年の歌手デビュー曲『MajiでKoiする5秒前』も大ヒットとなり、順風満々を絵にかいたように人気タレントへの階段を駆け上がっていった。

 風向きが一気に変わったのが1998年、早稲田大学教育学部への自己推薦入試での合格だ。合格が決まった直後、早大入学前のタイミングでモデルのMITSUU(当時)との熱愛が報じられると、翌99年には俳優の伊勢谷友介との熱愛が発覚。さらに2001年には、当時交際していた俳優の金子賢と夜遊びした後、早朝にタクシーで千葉県の白浜(現・南房総市)まで無賃乗車した挙句、ダボダボのトレーナー姿で路上に座り込み空に向かって独り言を話しているところを一般人に囲まれ、さらに電波を求めてアンテナを伸ばした携帯電話を上に掲げながら田舎道をさ迷い歩くという衝撃的な写真が週刊誌「フライデー」(講談社)に掲載。これが「奇行」だとして世間を騒がせた。

 その後も人気デザイナーの岡沢高宏氏とのお泊まりデートなどが報じられると、そのまま03年に岡沢氏と授かり婚。同年には早大を出席実績ほぼゼロのまま自主退学し、それまでの清純派アイドルというイメージが一気に崩壊。結局、08年に岡沢氏と離婚し、09年には俳優の永井大との熱愛が報じられたこともあった。

母親業にも仕事にも手を抜けない

 イメージ悪化のまま徐々に芸能界での露出が減っていくかと思われたが、幸運にも09年に出演する映画『おくりびと』がアメリカのアカデミー賞で外国語映画賞を受賞。以降は女優として着実に経験を重ね、10年に再婚したキャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏と3人の子どもに囲まれて公私ともに充実した生活を送っているというのが、世間が抱く現在の広末像であった。

「キャンドル・ジュン氏が報道後に行われたイベントで『長男が下の2人の子の世話をしている』と発言。さらに広末が頻繁に深夜に鳥羽氏と外で逢瀬を重ねている様子が報じられ、広末はきちんと子どもの面倒を見ているのかという批判も広まっている。ただ、広末は毎日早朝に起きて子ども用に3食分の食事をつくるなど、育児に手を抜いているというわけではない様子。逆に母親業にも仕事にも手を抜けない性格が災いしてストレスがたまり、そのはけ口を求めて悪い方向に走ってしまったのではないかと、広末を擁護する声も周囲からは聞かれる」(週刊誌記者)

俳優は芸術家であり、芸術家を世間の掟で裁くのはいかがなものか

 そんな広末が「さらなる充実」を求めたのかは定かではないが、夫以外の男性との道ならぬ恋におぼれていたことが判明したわけだ。週刊誌記者はいう。

「広末も鳥羽氏も、現在の配偶者とは離婚して結婚することまで視野に入れていた。特に仕事への影響が懸念される広末のほうが前のめりだった模様。一方、鳥羽氏は有名女優と付き合っているという状況に舞い上がり、周囲にベラベラと話して自慢しており、そこから情報が漏れたとみられる。さすがに広末は芸能界が長いだけに、情報が漏れないようにしっかりとガードしていただろうから、鳥羽氏との関係が周囲に気づかれるような行為はしない。ラブレターの内容も鳥羽氏側の周辺から漏れたようだ」

 前述のとおり広末は2度の結婚を経験し、19歳の長男、12歳の次男、7歳の長女の3人の子どもにも恵まれている。波乱万丈を重ね、世間的には「そろそろ落ち着いてもよい年頃」とみられてもおかしくはないが、42歳を迎えた今、なぜここまで新しい男性との不倫・恋愛にのめり込んでしまうのだろうか。精神科医の精神科医の片田珠美氏はいう。

「『文春』に掲載された広末涼子さんの文章を読み、久しぶりに本物の『恋文(こいぶみ)』に触れた気がしました。『愛を諦めない覚悟』とか、『こんな風に本気でぶつかり合って求め合って、ひとを好きになったのは初めてなのかもしれません』とか、恋心と情熱があふれ出している印象を受けました。本気で愛していなければとても書けるものではありません。

 広末さんは若い頃から誰かを好きになると一途で、周りが見えなくなるようなところがあったのではないでしょうか。結婚していようが、子どもが何人いようが、仕事を失うことになろうがお構いなしに『恋は盲目』という言葉通り突っ走ってきたのでしょう。

 このように己の欲望に忠実な生き方をフランスの精神分析家、ラカンは<美>と呼びました。それに対して、世間の掟に従う生き方を<善>と呼んでおり、前者を称賛しています。広末さんはまさに<美>の生き方を実践しているわけで、だからこそ40歳を過ぎても美しさと可愛らしさを兼ね備えていて、透明感もあるのかと妙に納得した次第です。

 もっとも、<美>の生き方を貫こうとすると、世間から反感を買います。なぜかといえば、多くの人々は他者のまなざしを気にしつつ、世間から批判されないように欲望を抑圧しながら生きているからです。不倫願望が芽生えても、それに気づかれると大変なので、フロイトが『反動形成』と呼んだ防衛機制が働いて、逆に正反対の態度を取り、“いい妻”“いい母”に見えるように精一杯頑張る女性も多いはずです。その前に、欲望に忠実というか丸出しのように見える女性が現れたら、反感や怒りを覚えるのは当然でしょう。今回の不倫騒動で、広末さんが主婦層からそっぽを向かれたのも、このような心理が働いたからではないでしょうか。

 広末さんは、所属事務所から『無期限謹慎』の処分を受け、CMは全削除、映画も降板という事態になりましたが、そこまでする必要があったのかと疑問を抱かずにはいられません。CMやテレビドラマは、スポンサーとの関係もあるので仕方がないかもしれませんが、映画や舞台は観たい人がお金を払ってチケットを買うものです。少なくとも、私は個人的には欲望に忠実な“魔性の女”を地で演じられる広末さんの姿を観たいと思います。

 俳優は芸術家であり、芸術家を世間の掟で裁くのはいかがなものかというのが私の持論です。芸術家は、<美>の生き方を貫くからこそ素晴らしい作品を生み出せるのですが、その反面、<善>の生き方をしている世間の多くの人々から叩かれることもしばしばあります。しかし、俳優が不倫をはじめとする騒動を起こすたびに、袋叩きにしていたら、欲望と理性の葛藤を演じられる俳優は排除されてしまい、ドラマも映画も舞台もつまらなくなってしまいます。

 広末さんには、これからも<美>の生き方を貫き、謹慎期間が終わったら是非“魔性の女”を演じていただきたいと思います。私が映画監督だったら、土下座してでも彼女に出演を依頼するでしょう」

(文=Business Journal編集部、協力=片田珠美/精神科医)

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

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