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生え抜き組が社長・会長就任の人事の裏側

それでもJTは財務省の天下り企業にされる!?

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どーでもいいですが、JTのタイアップってノスタルジックなのが
多いすなぁ(同社HPより)

 日本たばこ産業(JT)は4月23日、6月に小泉光臣副社長(55)が社長に昇格する人事を発表した。木村宏現社長(59)は代表権のない会長に就き、旧大蔵省(財務省)出身の涌井洋治会長(70)は退任する。85年の民営化以降、同社から会長、社長の両方から旧大蔵省出身者がいなくなるのは初めてのことだ。

 今回のトップ人事のポイントは、涌井会長の退任である。一時は留任のうわさも流れたが、民主党政権下では涌井氏の天下りに対する視線は厳しかった。先ず天下り人事の経緯について書く。

「シャガールの絵をもらって次官の座を棒に振った男」。こう呼ばれる涌井氏は、旧大蔵官僚の一つの典型であった政治家タイプ。64年に東京大学法学部を卒業し、大蔵省に入省した。「主計局にあらずんば人にあらず」といわれるほど大蔵省の本流で、国家予算を握る同局の主計官としてらつ腕を振るった。総理大臣秘書官、主計局次長、経済企画庁長官官房長、大蔵省官房長を経て、主計局長とエリートコースを一直線。同期のトップを走り事務次官の筆頭候補であった。しかし、ここで落とし穴にはまる。

 90年代後半、大蔵省の接待スキャンダルが次々と、あぶり出された。湧井氏は官房長時代に、脱税事件を起こした石油卸商、泉井商会の泉井純一(いずい・じゅんいち)氏からシャガールのエッチング(銅版画)を贈られていたことが発覚した。名目は再婚した際の"結婚祝い"で評価額は20万円程度。金額はさほど高くなかったが、絵画がワイロの道具に利用されていた時代だ。政治家や官僚に安い絵画を贈って、後に高値で買い戻して、その差額が彼らのフトコロに入る仕組みだ。主計局長として国家予算編成を司る現場の最高責任者が、政界のタニマチといわれる石油卸商から絵画を受け取ったのは脇が甘すぎた。次官も目前だった涌井氏は97年9月、"泉井事件"によって、大蔵省を退官した。

 それから7年後の04年6月、涌井氏はJT会長に就任した。次官OBが天下りの有力ポストのJT会長に就くことで、次官級の待遇を受けたことになる。この人事は小泉純一郎首相(当時)による官邸主導で決まった。背景には小泉首相と自民党・橋本派との対立があった。小泉首相は、政敵である田中角栄-竹下登-橋本龍太郎に連なる人脈潰しに全力をあげた。得意のキャッチフレーズ「自民党をぶっ壊す」は「竹下=橋本派をぶっ潰す」という意味であった。