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わかりやすい原発企業への天下り図式
この「原発官僚の日立への天下り」について、『日本を滅ぼす電力腐敗』(新人物往来社)の著者であるジャーナリストの三宅勝久氏は、「本当にわかりやすい図式。2人とも、自らの懐に入るカネのことだけで行動しているわけです」と呆れる。
原発の安全性などには目をつぶり、「公的には原発は絶対必要」と推進すれば、将来は相応の報酬が約束される。そんなレールに、嬉々として乗ってしまったということであろうか。
中西宏明・日立社長「原子力は人類に必須のエネルギー源」
さて、その日立製作所だが、22日の株主総会において、中西宏明社長は国内の電力産業に触れ、「原子力抜きで成立するとは考えていない」と述べ、さらに株主から東日本大震災後の状況に関連して質問されると、「原子力は人類に必須のエネルギー源だ」と発言するなど、原子力産業への意気込みを見せた。これは、「カネ儲け」という観点からすれば当然のことで、製品としての原発を売るだけでなく、メンテナンスや修理によっても日立は経常的に利益を獲得できることになるからだ。
ただし、そこに果たして、人命尊重や安全優先といった視点が存在するかどうかは疑問だ。いまだ被災地や原発事故発生地周辺の状況が収束していない状況で、原子力産業を担う企業が震災などなかったかのように、原発推進を加速させようという状況があるのだ。
(文=橋本玉泉)
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