広告費ゼロで会員5万人?ソーシャルランチ人気の秘密
福山 機械的な「いいね!」を、できるだけ増やさないようにしています。世の中にあるFacebookサービスの多くは、とにかくユーザに「いいね!」やシェアを押させようとする、強要しようとするものが多いです。最近はスパムのようなアプリに悩まされているユーザーの方も多いのではないでしょうか? そのような形で集められたユーザの声や書き込みは、決して質のよいものではありません。何よりもまず、ユーザにストレスを与え、不快な思いをさせます。そのようなサービスが、ユーザの支持を広げ、継続的に成長していくとは思えません。ソーシャルランチでは、社外の人とランチをするという体験自体が新しいため、その体験をブログやFacebookで投稿することは、自然発生的にしてくれる。これを義務化すると、シェアされる量は増えるかもしれませんが、ひとつひとつの質が落ちてしまって、誰の目に留まらないという結果になるかもしれません。それよりも、ちゃんとじっくり書いてくれた投稿のほうが、「いいね!」が集まったりして、より多くの人に見ていただけると思うんです。さらに、その投稿自体がシェアされるかもしれない。良質のシェアというものを、いかに増やしていくかが重要です。一方、マネタイズするためには、有料サービスの追加や飲食店との連携など、いろんなアイディアがありますが、現在検討中です。初年度は先行投資で、次の年で黒字転換していきたいですね。
今後、インターネットサービスはテレパシーになるべき
―― Facebookに対する期待や今後の展開は、どのように見ていますか?
福山 Facebookに限らず、ユーザプロフィールのメタ情報の世界標準仕様を作ってほしいと思います。mixiでもFacebookでもアマゾンでも、SNSやECごとにプロフィールのメタ情報の仕様は全部違います。でも、世界共通のプロフィールの仕様があれば、開発者もプラットフォームごとに別途開発する手間もなくなりますし、横断的にいろんな連携ができるはずです。GoogleのOpenSocialが半分やりかけた世界ではありますが、Facebookのように世界に圧倒的なユーザー数をもつSNSが、一気にやってくれるといいなと思います。グーグルストリートビューみたいに、いろいろと反対はあるとは思いますが、一気にやってしまえば、それがスタンダードになってしまう。そういうところを期待しています。ただFacebookも、次に出てくるSNSに、やがては変わっていくんだろうと思いますね。Facebook が完成形であるとは限らないので。