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NHK・新経営委員長の浜田ANA総研会長は執行部の傀儡

裏に執行部との軋轢 NHK経営委員長がなかなか決まらないワケ

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最低視聴率を更新中の大河ドラマ『平清盛』。緻密な時代考証で
結構おもしろいですけどね。(『平清盛』HPより)
 NHKの最高意思決定機関である経営委員会の新しい委員長に、委員長代行を務めるANA総合研究所会長の浜田健一郎氏(64)が昇格する見込みだ。

 浜田氏、WHOである。全く無名な彼が経営委員長に互選される背景は何か? 骨っぽい数土文夫(すど・ふみお)・前委員長に懲りたNHK幹部がリモートコントロールできる人物を選んだというのが真相だ。

 経済界出身の経営委員長とNHK執行部は長年にわたり暗闘を続けてきた。前経営委員長の數土文夫(在任11.4~12.5)・JFEホールディングス相談役が5月24日、経営委員長と経営委員の職を辞する意向を表明したのは、執行部との軋轢が原因である。

 數土氏は実質国有化された東京電力の社外取締役に6月に就任する予定で、NHKとの兼職が問題視された。數土氏は記者会見で「東電の経営が国難だという思いが高まった。東電の再スタートへの協力を優先した」と述べた。だが、2日前の22日の会見では「東電との兼職には何ら問題はない」と強調していただけに不可解な印象を与えた。

 NHKの重要な取材対象である東電の経営陣にNHK経営委員長が加われば、報道の中立性が損なわれると、市民グループやNHK労組が反対したのが発端だった。放送法では経営委員は番組内容に介入できない規定になっている。しかし視聴者からNHKに(兼職に対する)批判が寄せられたことが數土氏を追い落とす格好の材料となった。

 委員長の數土氏とNHK執行部やほかの経営委員との間には埋めがたい確執があったのは事実だ。數土委員長は2012年度からの3カ年の経営計画で、当初は受信料値下げに難色を示していた執行部に計画の見直しを迫り、最終的に月額最大120円の値下げを実現した(議決は11年10月)。

 大幅な減収になるこれに、NHK執行部は猛反発、経営委員の間からは「初めに値下げありきで、議事運営が強引だ」との不満が渦巻いていた。そこに勃発したのが兼職問題である。経営委員の一人は「NHK経営委員長でありながら、東電の社外取締役就任要請を受けてしまったこと自体が問題。どちらかを取ればいいということではないはず。委員長辞任は当然だ」と言い放った。

 NHK執行部と経営委員たちによる包囲網に數土氏は「ほとほと嫌気がさして」(政府関係者)、経営委員長の椅子を投げ出してしまったのである。

 ここ数年、経済界出身の経営委員長とNHK執行部の間で暗闘が繰り返されてきたといっていい。07年に石原邦夫・経営委員長(同04.12~07.4)・東京海上日動火災保険社長(当時)が、同社の保険金不払い問題のため委員長職のみを辞任。後任の古森重隆・経営委員長(同07.6~08.12)・富士フィルムホールディングス社長は、NHKに民間並みの合理化と余剰分の視聴者還元を打ち出し、執行部と衝突した。