「松本氏は、証券マン時代に〝最後の大物仕手〟とされた西田晴夫元被告(証券取引法違反容疑で逮捕、公判中の11年3月に病死)と取引関係があったことを公言するなど、闇勢力がはびこる金融市場の裏側を解説する貴重な証言者として、マスコミや金融庁など規制当局に知られる人物。最近では、オリンパス巨額損失隠蔽事件やAIJ年金資産消失事件についてNHKニュースに出演して解説したばかり」(金融担当記者)
マスコミや当局にとって、いわば闇金融界の案内役を担ってきた。その松本氏に、ある疑惑が浮上している。詐欺容疑で逮捕された金融業者から資金を得て、投資活動をしたというのだ。
報じたのは、インターネットメディアの「アクセスジャーナル」。12年3月15日配信の記事は、松本氏が香港企業を介して大証ジャスダック上場の金融情報業「T&Cホールディングス」に大口投資した疑いがあると指摘した上で、「(松本氏の)金主とは驚くなかれ、水源ビジネスの詐欺容疑で新たに逮捕された水口容疑者だったのだ」と断定する。
水口容疑者とは、大阪府警などが12年2月8日、詐欺の疑いで逮捕した東京都港区の会社役員、水口達容疑者のこと。先の記事には水口容疑者を「『反社』といってもいい」とあり、松本氏が反社会的勢力から資金を得た疑いがあるという構図を描いた。
「水口氏にはマネーロンダリングの疑いがかかっており、反社という評価は間違っていない。事実なら、『共生者』(宝島社)という著書がある松本氏こそが共生者という見方が成り立つ」(信用調査会社関係者)
張本人の松本氏に嫌疑を質した。
「水口氏には10年6月か7月に初めて会い、その後、数回会ったのは事実ですが、金銭のやり取りは絶対にありません」
そう抗弁する松本氏が続ける。