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合併新会社・日本郵便のお粗末人事

失策続きだった郵便事業会社 日本郵便発足は大丈夫か?

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そのうちポストがなくなることもあるのか…!?
(「足成」より)
 不可思議な人事である。日本郵政傘下の郵便事業会社と郵便局会社が、10月1日に合併して日本郵便が発足する。新会社の会長に郵便局会社の古川洽次会長(74)、社長に郵便事業会社の鍋倉真一社長(66)がそれぞれ就任する。

 古川氏は三菱商事出身で、三菱自動車副会長時代に大チョンボをした人物。鍋倉氏は旧郵政省(現総務省)出身で郵便事業会社の社長として、これまた大チョンボをやらかした。“チョンボ2兄弟”に赤字を垂れ流し続ける郵便事業の抜本的改革がやれるはずがない。

 4月に成立した改正郵政民営化法は、手紙や小包を集配する郵便事業会社と、窓口業務を担う郵便局会社の合併を決めた。郵便局で行われている業務を一元化するためのように見えるが、本当の狙いは大赤字の郵便事業会社の救済にある。

 2007年10月の郵政民営化に基づき発足した郵便事業会社は3期目から歯止めなき赤字経営に陥った。税引前当期純損益は10年3月期が233億円の赤字、翌11年同期は883億円の赤字。前12年同期も126億円の赤字だ。11年と12年は営業損益の段階から赤字。経費が収入を上回っているわけだからおよそビジネスとして成り立っていないということだ。中小企業なら倒産寸前の状態といえる。

 赤字転落の最大の元凶は10年7月に、ゆうパックと事業統合したJPエクスプレス(JPEX)である。JPEXは郵政民営化の目玉事業だった。宅配市場はヤマト運輸と佐川急便の2強が市場の7割以上を占め寡占状態にある。“負け組”といわれた郵便事業会社のゆうパックと日本通運のペリカン便を統合して2強を追撃するという青写真を描いた。

 08年6月、郵便事業会社と日本通運の共同出資でJPEXを設立。日通からペリカン便事業を引き継いだ。しかし、業績悪化を懸念する総務省がゆうパックとの統合を認可せず計画は宙に浮いてしまった。

 結局、JPEXは10年8月末の株主総会で解散を決定、特別清算を申し立て清算手続きに入った。負債総額は681億円にのぼり、JPEXに86%出資していた郵便事業会社はJPEXへの出資分や融資の貸し倒れなどで11年3月期に883億円の税引前当期純損失を計上した。

 宅配事業計画そのものがお粗末だったが、さらに信じ難い経営判断を下す。10年7月、郵便事業会社はJPEXの事業を譲り受け、ゆうパックに吸収した。JPEXの従業員(旧・日通ペリカン便の従業員)を郵便事業会社の従業員と同じ待遇で引き受けたのだ。JPEXが解散したのだから、ペリカン便の従業員は日通に戻すのが筋ではないか。それをペリカン便時代より高い給料で雇ったのだ。さらに、ペリカン便を統合するにあたって、指令系統の混乱から、ゆうパックは大規模な遅配を引き起こした。