ワタミにマクドナルド…就職“不人気”企業はブラックor優良?
「モンテローザ HP」より。
【1】ゼンショー
過日、クチコミ情報サイト「キャリコネ」調査により、2013年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とした「絶対に就職したい企業ランキング」および「絶対に就職したくない企業ランキング」が発表された。前者の結果は、男子では「三菱商事」が1位となり、「ソニー」「トヨタ自動車」が2位、3位と続いた。女子では「資生堂」が1位で、男子1位の「三菱商事」が2位、「電通」が3位に入っている。
そして、「絶対に就職したくない企業ランキング」の結果も実に興味深いものだった。男女とも示し合わせたように「モンテローザ」と「東京電力」が1位2位を占め、特に男子では昨年度(2012)とまったく同じ順位という不名誉な「ワンツーフィニッシュ」が決まった。
男女とも「ワタミ」や「オリンパス」など、昨年から今年にかけて悪い意味で世間を賑わした会社がランクインしているほか、「ゼンショー」、「王将フードサービス」、「くらコーポレーション」、「日本マクドナルド」など、外食大手の名前がもれなく挙がっているところが興味深い。ユーザーとしては実に有難い存在なのだが、自分が働くことを考えると、その便利さ、安価さなどがすべて負担になってしまうと感じるのだろうか。
不人気企業は優良企業!?
人気上位は大手・有名・一流・ブランド企業ばかりで、不人気上位には超ハードワーク、それでいて薄給、ノルマが厳しそう、といったイメージがある、というのが共通点だ。特に不人気企業のイメージは、主にネットを中心にした報道の影響によるものが大きいだろう。不人気でランクインしたほぼすべての企業は、ネット上の「ブラック企業ランキング」では常に上位である。また入社後に受ける研修の厳しさを揶揄したような記事を見かけるのも特徴だ。
確かに、労働環境が万全ではない事実はあろうし、会社選びにおいて「働く環境こそが最優先だ!」という価値観を持つ人にとっては、「環境が劣悪=ブラック」という判断もアリかもしれない。しかし、「働く上で大事にしたいこと」の基準は万人が同じではない。世間のイメージに惑わされることなく、自分自身の価値観を大切にしてもらいたいものである。たとえば、こんな会社がある。
「創業当時から『業界トップ』『世界一』を志して事業展開を進め、積極的にM&Aを展開。同業他社が低迷する中、継続的に利益とプラスキャッシュフローを生み出し続け、直近の10年で売上高が20倍以上に拡大した成長企業」
どうだろう。大手企業の業績が低迷する中、成長を志す人には魅力的に映るかもしれない。この会社名は、「ゼンショー」という。不人気ランキングでは男子4位、女子9位だが、実は連結売上高4,000億円、日清食品やサッポロビールと同規模の大企業なのだ。
このように、人気も不人気もあくまでも一面的な印象にすぎない。一言で「イイ会社」といっても、それが「社員からみてイイ」のか、「ユーザーからみてイイ」のか、はたまた「株主からみてイイ」のか。捉える視点が変われば、評価も変わるものである。