「え…それだけ?」リクルート求人“ひとがら登録”のメリット
人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!
今週は、鮫肌文殊氏が、リクルート求人サイトの新サービスについて、疑問をぶつけた!
[回答者]リクルート読者ホットライン 様
もう15年くらい前になるであろうか。所属事務所の新人放送作家を採用する際に面接官を担当したことがある。年齢制限を設けずに広く募集してしまったため、別の事務所で作家をやっているものの芽が出ずにくすぶっているという40歳過ぎの方が面接にやってきた。
その歳で採用するとしたら、独りでバリバリとやっていてちゃんとキャリアがあるものの、フリーの弱い立場を事務所に入ることでカバーしたい(悪質な制作会社に引っ掛かると、相手がフリーだと足元を見てギャラを踏み倒したりするところもある!)という人以外にありえない。
だが、目の前に現れたのは、例えは古いが小太りのミスターオクレって感じで、ネガティヴ・モデルの栗原類もビックリ! 負のオーラ満点の思いっきり頭がハゲ散らかったオヤジであった。とても40ちょいには見えない。もう50過ぎてると言われても納得する老けた印象である。
「チャ、チャ、チャンスが欲しいんです」
開口一番、彼はそう言った。
いろいろ聞き出したところ、ある大手制作会社の作家部門に所属しているものの全然仕事がなくて、新天地を求めてうちの面接にやって来たことまではわかった。
「それなりの年数、作家経験があるワケですよね。何か、『これだけは負けない』っていう武器みたいなものってありますか? 情報系なら任せておけ! みたいな……」
ミスターオクレは、下を向いたままひたすら繰り返す。
「チャンスが欲しいんです。チャンスをください」
「失礼ですけれど、40歳過ぎて作家見習いからスタートするって、周りも使いにくいじゃないですか。やはり、何かコレっていう武器がいると思うんですよ」
「(こっちが言うことは無視してひたすら)チャンスをください、チャンスが欲しいんです」
なぜ今頃になって、『チャンスをください』男を思い出したかと言うと、バナナマンがやっていたリクルートの求人サイト「はたらいく」のCMを見たからである。「ひとがら登録」って制度があるとそのCMでは言っていた。