NEW
社長のツイッター暴言より深刻な、揺らぐ「一人勝ち」の構図

アマゾン、楽天も市場参入…ゾゾタウン大幅減益の理由

【この記事のキーワード】

,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

上場以来初の減益となったゾゾタウン
(同社HPより)
 ファッション関連のネット通販市場の拡大ぶりが際立っている。

 矢野経済研究所の予測によれば、同市場規模は2010年の約4600億円から、15年度には約9500億円に倍増する見込みだという。

 ところで、日本のファッションブランド商品におけるネット通販の第一人者にして、年間商品取扱高800億円以上、会員数約500万人と圧倒的なシェアを誇るのが、「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥディだ。

 00年に会社を設立した同社は、わずかその7年後の07年に東証マザーズにスピード上場を果たし(12年、東証1部に市場変更)、また、全社員を対象に1日6時間労働制を導入するなどして、常に業界に話題をふりまき、注目を集めてきた。

●創業社長がツィッターで暴言

 しかしそのスタートトゥディが、このところ冴えない。

 直近12年4~9月の連結純利益が前年同期比17%減の17億円と、上場以来初の大幅減益となり、株価も2年ぶりとなる800円台の安値圏を這っている。

 さらに貧すれば鈍するということなのか、10月、同社創業社長の前澤友作氏が、ゾゾタウンの送料が高いことをツイッターで発言した購入者に対して、「ただで商品が届くと思うんじゃない。二度と注文しなくていい」などと暴言ともとれる発言をし、ネット上で猛烈な批判が高まった(その後、前澤氏はツイッター上で謝罪)。

 それはともかく、同社低迷の最大要因は、アマゾンジャパンや楽天など相次ぐ大手参入による競合の激化にある。言い換えれば、「ゾゾタウン一人勝ち」という構図の崩壊だ。

 これまでのスタートトゥディ最大の強みは、ブランド商品のイメージを守りながら、比較的高額な新品を、確実に定価で売り切る販売力にあった。しかし前述した大手の参入や、増え続ける中小他サイト、さらには「ギルト」などアウトレット通販サイトとの対抗上から低価格商品が一挙に増加し、大規模なセール実施の頻度も高まり、単価下落傾向が顕著だ。

●意外にも低かった(?)参入障壁

 さらに同社はこの11月から、商品配送料の完全無料化に踏み切った。先の社長発言から一転して、ゾゾタウンからは「ただで商品が届く」ようになったのである。さらに同社は代金のポイント還元率も1%から10%へと大幅に高めた(セール商品は適用外)。これも、アマゾンなど大手への対抗措置であることは言うまでもない。

 当然のことながら、そうした策は収益の圧迫要因となる。スタートトゥディとしては、売上(商品取扱高)の大幅増加で吸収するとしているが、大手の参入はもとより、円高を追い風に海外バイヤーの買い付け商品を扱う「waja(ワジャ)」など相次ぐニューカマーの参入もあり、それも説得力に乏しい。

 ともあれ、こうした大手や新勢力の参戦でにわかに戦国時代を迎えつつあるファッション通販業界だが、ここに来てわかったことは、意外にもこのビジネスは、参入障壁が低かったということではないだろうか?

 ならば今後は、さらに競合が激化するのは火を見るよりも明らかだ。
(文=月泉博/シーズ代表取締役)