前バージョンは「Microsoft Office 2010」。2010年6月の発売だったから、3年弱で登場した新バージョンということになる。この新バージョン、どんなものなのか簡単に紹介しよう。
●対応環境はWindows 7以降、タッチでも使える
まずは動作環境をチェックしたい。対応OSはWindows 7およびWindows 8の32bit版と64bit版だ。つまりWindows XPはもちろん、Windows Vistaでも動かないということになる。
ハードウェア的な要求はあまり高くないから、Windows 7以降が入っている状態で購入したPCならばまず問題なく利用できるはずだ。ただし、インターネット接続環境が必須となる。新しいOfficeはDVD-ROMなどの光学メディアでは提供されず、パッケージにはダウンロード用のプロダクトキーのみが入っているからだ。
タッチ対応のディスプレイを搭載しているPCならば、タッチでOfficeを使えるようになる。特にWindows 8と組み合わせると使いやすいように作られているようだ。今のところ特にPowerPointでのスライドショー表示の操作が、タッチで使いやすくなるらしいことがわかっている。ツールバーまわりが巨大ボタンになったりはしていないから、タッチで利用する予定のない人も一応は安心だ。
●クラウド対応でオンライン共有がはかどる
インストールするのにインターネットが必要なように、新しいOfficeはインターネット利用を前提とした機能がたっぷり盛り込まれている。以前はWindows Live IDと呼ばれていた「Microsoft アカウント」がインストールには必要だ。
「あらゆるデバイスから、いつでもどこでも」使えるというのが売り文句だが、1ライセンスで何台のPCから利用できるのかは、まだわからないようだ。ファイルを保存する領域として、無料で使える「Microsoft SkyDrive」との連携が図られており、別のPC、別の場所からも同じファイルが簡単に利用できるようになっている。「今までのマイドキュメントの代わりに、Microsoft SkyDriveを使ってほしい」というイメージらしい。
また自分が方々のPCからファイルを利用できるというだけでなく、仲間とファイルを共有して共同作業をしたりすることも可能だ。仲間にファイルを簡単に渡したり、修正しておいてもらったりするだけでなく、ビデオチャットで会議をしながら同時に編集するというような使い方も想定されている。
●追加機能はどんなものがある?
各アプリケーションには、いろいろな機能が追加されている。細かいところはプレビュー版が無料で試用できるから、興味のある人はぜひ試してほしい。6月まで利用可能だ。
具体的な新機能とその活用方法として、2012年9月に開催された「Microsoft Conference 2012」でのデモンストレーションを1つ紹介しておこう。数多くの最新テクノロジーを紹介するイベントの中で、Excel 2013とKinectを組み合わせてビジネスに活用する方法が紹介された。
Excel 2013には、データ分析機能が搭載される。これまで専用のツールを使わなければできなかったような、複雑なデータ分析がExcelでできるようになるのだ。ここに、Xboxのオプションであるセンサー機能を持ったKinectを組み合わせることで、おもしろい使い方ができるらしい。