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“良気候”愛知県田原市が“メガソーラー銀座”になる一方で…

太陽光発電買取価格引き下げで三菱商事・ソフトバンクに逆風!?

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(「Thinkstock」より)
 2012年7月からスタートした再生可能エネルギー固定買い取り制度が追い風となり大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画が相次いでいる。買い取り価格の条件の良さが招いたバブルとの見方があるが、メガソーラーブームの勢いは止まらない。

 三菱商事と中部電力が、愛知県田原市に国内最大級のメガソーラーを共同で建設することが明らかになった。出力は7万7000キロワット。年間発電量は一般家庭3万5000世帯分に相当する。

 三菱商事と中部電力の子会社・シーテックが、メガソーラーの運営会社を共同で作る。同社は、愛知県の企業庁が保有する工業団地100万平方メートルを、20年間賃借してメガソーラーを建設。国の再生可能エネルギーの固定買い取り制度を利用して中部電力に売電する。15年の稼動を目指しており、総事業費は200億円超。これは丸紅が大分市に建設する出力8万1500キロワットのメガソーラーに次ぐ規模で、国内最大級となる。

 予定地の近くでは三井化学が保有する遊休地を使い、12年11月7日、たはらソーラー・ウインド共同事業体が、メガソーラーと風力発電所を建設する起工式を行った。同事業体には代表幹事を務める三井化学のほか、東芝、三井物産、東亞合成、東レ、三井造船の5社が参加。東亞合成も三井色の強い企業で、同共同事業体は三井連合といえる。

 こちらは、もともと三井化学が自動車部品向けの樹脂工場を建設する予定だったが、自動車部品会社の海外移転などで計画は20年以上、宙に浮いていた。面積は東京ドーム約17個分の82万平方メートルで、総事業費は約180億円。60万平方メートル分の太陽光パネルと風力発電の風車3基を設置する。発電能力はメガソーラーが5万キロワット、風力が6000キロワット。年間の発電量は一般家庭の1万9000世帯分にあたる。14年10月に運転開始予定で、事業の期間は運転開始から20年間。同社も発電した電力は中部電力に売電する。

 再生可能エネルギーが普及するための最大の障壁は天候に左右されることだ。田原市が位置する渥美半島は日照時間、平均風速とも国内の最高水準。田原市は工場団地、三井化学は工場用地が遊休化して頭を悩ましていたが、メガソーラーブームでやっと計画が陽の目をみることになった。

 田原市を舞台に三井グループと三菱商事がメガソーラー対決する。田原市は全国トップクラスの発電拠点、メガソーラー銀座になりそうだ。

●逆風が吹き始めたメガソーラーと、国民に突きつけられる電気問題

 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が後押しする形で、異業種企業の参入が相次いでいる。経済産業省によると12年10月末時点で認定されたメガソーラー(出力1000キロワット以上)は340件。ソフトバンク、丸紅、三井化学、IHI、近畿日本鉄道、三菱商事、オリックスなど手掛ける企業も多種多彩だ。

 立地は北海道(74件)が最も多く、福岡県(22件)、兵庫県(17件)、栃木県(16件)、鹿児島県(15件)、大阪府と岡山県(それぞれ14件)がこれに続く。地方自治体は遊休地を有効活用してもらおうと企業を誘致し、企業側は42円という破格の買い取り価格にひかれて参入を表明した。

 しかし、メガソーラーバブルは、早くも弾けそうな気配を見せ始めた。