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「だから直接聞いてみた forビジネス」

大人気の消せるボールペンは開発に30年? パイロット社に直撃取材!

文=林 賢一
大人気の消せるボールペンは開発に30年? パイロット社に直撃取材!の画像1
(「PILOT HP」より)

人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!

 今週は、林賢一氏が、消すことができるボールペンフリクションのバリエーションの多さについて疑問を問い合わせた。

[回答者]パイロット お客様相談室 様

 ヒット商品なのでご存じの方も多いだろうが、パイロットが販売している「フリクションボール」というボールペンが素晴らしいので愛用している。

 簡単に説明すると、書き味は完全にボールペンなのに、ボディー後部のラバーでこすると摩擦だけで文字が完全に消えるという魔法のようなペンである。

 パイロットの回し者のようで恐縮だが、「フリクションボール」を一度でも使ってしまうと他のボールペンが使えない。

 当初は太さ0.5㎜・0.7㎜という展開だったが、「もっと細いのが欲しい!」と思っていたところに0.4㎜が登場してフリクションファンの喝采を浴びたのは記憶に新しい。

 だが人間の欲望というのは止まらない。

 「もっともっと細いのが欲しい」

 そんな風に思っていたフリクションファンも多く、次世代フリクションの太さ予想は「0.3㎜」だった。0.7、0.5、0.4、ときた流れならその次は0.3のはずだ。だが違った。パイロットは意外な商品を登場させてきたのだ。

 「0.38㎜」

 刻んできた。

 思っていたより細かく刻んできた。0.4㎜より僅か0.02㎜だけ細い刻みだ。0.02㎜って、あんま変わんなくね? そんな疑問が当然浮かぶ。

 で、0.38㎜を書いてみた。あんまり変わらなかった。

 そこで【パイロット お客様相談室】に直接聞いてみた。

『フリクションボールの太さは、0.7㎜、0.5㎜、0.4㎜ときて、いきなり0.38㎜と細かく刻んできたのはなぜですか?』

担当者 はい。細さを追求した時に、0.4㎜よりも細いものができたということで、商品化されました。

──なるほど。その細さが、もう限界ということですか?

担当者 はい、今のところ限界ということです。

──だから、急に細かく刻んで0.38㎜ということに…。

担当者 はい、そうかと。そうだと思います、はい。

──あと、0.38mmって、ペンにクリップが付いてないじゃないですか。あれは何故なんですか?

担当者 あ、付いてない理由ですか? そーですね……何故でしょうか……。まあ、細さというのを意識したんだと思うので……。ちょっとすみません、これは私の主観で会社としてのお答えじゃないんですけど。こちら、ちゃんと調べて折り返しお電話いたしますか?

──はい、お願いします。

 きちんと丁寧に10分後、別の方から折り返し電話がかかってきた。

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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