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大人気の消せるボールペンは開発に30年? パイロット社に直撃取材!

文=林 賢一

担当者 先ほどのお問い合わせの件なんですけど、0.38㎜のフリクションペンにクリップが無いのは何故ってことですけれども、こちらは商品の規格が女子学生さん向けで展開している商品でございまして。女子学生さんなので、胸にペンを差すことはまず無いだろうと。その代わりに、ペンケースにいろんな色を揃えられるために細くして、転がり防止のために出っ張りを付けたということです。

──なるほど! 別に男の人も使って全然OKですよね?

担当者 はい、それはもちろん。

──最後に1つだけいいですか? フリクションボールペンってすごい技術だと思うんですが、開発にも結構時間かかったんですか?

担当者 こちらは、インクの開発に成功したのが今から30年ほど前になるそうなんですね。

──30年!?

担当者 はい。その時はまだ筆記具に展開することができなかったんですが、お風呂に入れると色の変るタオルですとか、冷たい水に入れると色が変わる商品として最初出ていたそうです。そこからいろいろ商品の規格ができて参りまして。で、ボールペンにも応用ができたということで、今、フリクションボールが誕生しました。

──インク自体は前からあったけど、ボールペンには向かなかったってことですか?

担当者 はい。まだそこまでの開発が追いつかなかったんだと思います。

 0.38㎜が「女子学生向け」だというフリクションファンにとってはたまらないトリビアが飛び出し、さらには30年の歴史も判明し、フリクションボールがさらに好きになる取材結果となった。

 もうこうなったら「男子学生向けの0.37㎜」とか「子持ち主婦向けの0.47㎜」とか「ニート向けの0.56㎜」とか、さらなる細分化に向けて突っ走ってもらうという展開もアリではないだろうか。きっとある! 少なくとも俺は買う。

(文=酒平民 林賢一)

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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