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市場が右肩上がりのファッション通販業界再編

NTTドコモも参入! 楽天・アマゾンがアパレル通販でも2強 専業アパレルは倒産危機!?

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アレも欲しい、コレも欲しい♪
(「MAGASEEK HP」より)

 インターネット通販市場は右肩上がりの拡大を続ける。その中でも、ファッションの分野は2015年の予想で1兆円と、10年比で倍増という高い成長が見込まれる。主導権を握ろうと、大手企業による再編の動きが表面化した。

 NTTドコモはファッション通販サイト「MAGASEEK」を運営するマガシーク(東京・千代田、東証マザーズ上場)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社にすると発表した。

 マガシークの株式は親会社の伊藤忠商事が64.37%保有している。伊藤忠は39.37%をTOBに応募し、残り25%は継続して保有する。小学館、集英社、講談社など出版社の上位株主や少数株主などの賛同を得て、最終的に発行済み株式の75%の取得を目指す。

 取得総額は最大で21億6162万円。TOB期間は1月31日から3月14日。普通株の買い付け価格は1株13万5000円。3月1日の終値(13万4700円)は買い付け価格に接近した。TOB成立後、マガシークは上場廃止になる見通しだ。

 マガシークの13年3月期の単体売り上げは96億円、最終損益は5億3300万円の赤字の見込み。モバイルを日常的に利用する20~30代女性を中心に12年12月末時点で168万人の会員を持つ。

 ドコモは09年4月にテレビ通販大手のオークローンマーケティング(名古屋市)を子会社にした。昨年3月には有機野菜通販の、らでぃっしゅぼーや(東京・新宿)を買収した。マガシークの買収で電子商取引(EC)サイト「dマーケット」の品揃えを強化。手薄だったファッション分野の事業拡大を図る。

 国内の携帯電話の総契約数は昨年12月時点で1億2900万人を突破し、ほぼ飽和状態になっている。通話など通信収入の伸びが期待できない中、ドコモはdマーケットの売上高を12年度比5倍の1000億円に伸ばす方針を掲げている。

 楽天はファッション通販サイト「Stylife」を運営するスタイライフ(東京・港、ジャスダック上場)に対してTOBを実施し、完全子会社にする。楽天は昨年5月、スタイライフの大株主のバーンデストジャパンリミテッドから32.5%の株式を取得して筆頭株主となり、持分法適用会社に組み入れた。買い付け期間は2月5日から3月21日まで。普通株1株につき7万4000円で買い付ける。3月1日の終値は7万3800円だ。取得するための費用は11億100万円。

 スタイライフの13年3月期の売上高は52億円、最終損益は8億3600万円の赤字の見込み。会員数は150万人。楽天は昨年4月にファッション通販サイト「RAKUTEN BRAND  AVENUE(楽天アベニュー)」をオープンしており、スタイライフを完全子会社にすることによってファッションのネット通販に本腰を入れる。

 ここ数年、このジャンルのネット通販は「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ(千葉市、東証1部上場)の一人勝ちの状態が続いてきた。しかし、1月30日に13年3月期の連結業績見通しを大幅に下方修正したため株価が暴落した。売上高は当初予想より18.9%減の338億円、営業利益は同25.6%減の77億円、純利益は同25.6減の47億円となる見通し。ポイント還元率の引き上げ策を、わずか3カ月で取りやめるなど販売戦略が大きくブレた。「楽天やアマゾンのアパレルの取り扱いの強化の影響が大きい」と前澤友作社長は語っている。楽天は、取扱額の3割がファッションとみられている。

 アマゾンは即日配達、無料配送を武器に日本のネット通販市場を席巻した。ネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムの日本国内での12年12月期の売上高は前年同期比18.6%増の78億ドル(7332億円=1ドル94円で換算)だった。全世界の売上高610億ドル(5兆7340億円)の12.8%を日本が占める。アマゾンが国別の売上高を公表するのは初めて。米証券取引委員会に提出された報告書で、日本の実態が明らかになった。

 日本の大手通販業者としてはベネッセ、アスクル、ジャパネットたかた、ニッセンなどが上位にいるが、年商が5000億円を超える企業はない。

 ネット通販最大手、楽天の12年12月期連結決算のうち、仮想商店街「楽天市場」などネットサービス分野の売上高は2858億円。楽天は手数料収入が主体のショッピングモールの運営を行っていて、直販方式のアマゾンとは業態が異なる。楽天市場に出店した小売業者の販売額を合計した流通総額は、前期比15.3%増の1兆4460億円。アマゾンの流通総額は非公開だが、通販モール事業「マーケットプレイス」などを合算すると楽天に匹敵する可能性がある、と指摘されている。