風俗嬢発言については、5月16日、橋下市長は「国際感覚が不適切だった」と釈明したが、その前日に橋下市長にアドバイスをしたというテレビプロデューサーのデーブ・スペクターは、本日(5月19日)9時54分~放送のテレビ番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演した。
デーブは、「海外では風俗と性風俗は違うし、性風俗というあいまいな表現はあまりないので、70年前のことをなんで大阪市長が擁護しないといけないのか」と疑問を呈した上で、次のようにコメントした。
「そういう(橋下市長の)ナショナリスト的なところが、なんで今頃こんなに出てくるのかがポイントだと思う。橋下さんは、別のことに専念してもいいのに、なぜこういうことを言いたがるのか。もちろん誤解されたりする言い方はあるけど、どこか本性はそこにあるんです。だから口に出すわけですよ。そこがよくわからないんですよ」
また、出演者のテレビプロデューサー・テリー伊藤は、橋下市長の発言の真意について、次のように語った。
「沖縄の件に関してこの言葉だけが言われてますけど、橋下さんが沖縄の(米国)指令官に会って、『素人の女子高校生がレイプされたりして、この問題についてどう思ってんだ?』(と聞いた)。指令官が、『ボーリングとかキャンプファイヤー、バーベキューなどで、性のあれ(犯罪)をなくすように色々と努力してきた』と言ったので、橋下さんが、『いやいや、そんなんで、なくなるわけないでしょ。バーベキューやキャンプファイヤーと違うもんだろと』(と言い)、その時に橋下さんは風俗という言葉を使ったんですよ。新宿に行けばいろんな風俗があって、合法的なものもある。アメリカっていうのは、建前上は『ない』ということが前提にあるから、こういうかたちになると思う」
これを受けデーブは、「ただそれだけじゃないんですよ。米軍の人たちをさておいて、これだけ性風俗あるのに性犯罪は起きているじゃないですか?」と反論したところ、テリーは以下のように答えた。
「橋下さんも大反対なんですよ、慰安婦。ただ実際問題として慰安婦を抑えたとしたら、一般の人に危害が加わるということがリアルにあるんですね。例えば、日本がアメリカに戦争で負け、GHQ(対日占領政策の実施機関)は当時の日本に対して、慰安婦、売春を用意しないと、一般の日本の素人さんがレイプされるからといって用意した。朝鮮戦争、ベトナム戦争もそう、アメリカも実はそういうことをやっていた事実もあるんですよ。それを彼らは今の段階で『まったくやってません』と。だから、みんな知ってるんだけど、橋下さんがここで言う必要も実はなかった。ただ、橋下さんはそれを言いたかったんだと思う。日本だけが悪者になるのは違うっていう。橋下さんの言い方は批判されるけども。ただこういうことは政治家としては成立しない。そこは彼の性格だよね」
また、女医でタレントの西川史子は、「政治家の発言というのは、普段思っていることを言ってしまうと思う。思ってないことは出ないから。慰安婦制度を活用すればっていう、『活用すればいい』という言い方は、すごく不快に思う」と批判した。
5月13日、橋下市長は記者会見で次のように発言し、物議をかもしている。
「慰安婦制度は必要だったということです。それが意に反するかどうかにかかわらず。軍の規律を維持するためには、そういうことがその当時は必要だったんでしょうね」
「沖縄の普天間に行った時に、司令官のほうに『もっと風俗嬢を活用してほしい』と言ったんですよ」
5月16日、橋下市長は風俗嬢発言については、「国際感覚が不適切だった」と釈明した。また、これら一連の発言を受け、米国政府は「言語道断であり、不快」と声明を発表している。
(文=編集部)