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必ず茶柱が立つお茶、ヒットの秘訣~ネット販売はせずにブランディング、企画力で成功

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茶柱縁起茶
 景気の良し悪しにかかわらず毎年、出現するヒット商品。各社ヒット商品を出すために、知恵を絞っている。その開発秘話にヒット商品の眼を探ってみた。そこには何が隠されているのだろうか?

 今回取り上げるのは、福岡の小さな会社アルゴプランの「茶柱縁起茶」だ。淹れれば必ず茶柱が立つこのお茶は、口コミでじわじわと売上を伸ばし、『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)をはじめ「日経トレンディ」(日経BP)、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)など、20社以上のメディアに取り上げられた。ネットでの販売を行わず、「2010年世界緑茶コンテスト」の金賞というブランド力の高い賞を受賞したことで有名百貨店バイヤーたちが日々殺到しているという。

 今回は、そんなヒット商品の秘密を、同社の宮木初雄社長に伺った。

--このヒット商品は、どのようにして生まれたのでしょうか?

宮木初雄社長(以下、宮木) 13年前に、ショッピングセンターのお茶店舗開発をしたことがあったんです。その時に、お中元やお歳暮でお茶がギフトとして売れなくなったと相談されて、お茶を使ったギフト商品ができないかと考え、たどりついた答えが、この茶柱の入ったお茶です。

 宮木氏はデザイナーやプランナーを経てこの事業を始めた。もともと企画や商品開発を行っていたが、お茶の販売が忙しくなり、今ではこちらが本業になった。22年間の経験をすべて商品開発に注ぎ込み、パッケージもネーミングも宣伝も含めて、集大成してできあがったという。

 茶柱は、一方を軽く削り、お茶の中で必ず立つように加工されている。お茶本体は一番摘みの八女茶で、とても味がいいと評判だ。

--どうやって、この商品を思いついたのですか?

宮木 アンケートを取ったら「茶柱の立つお茶を、もう一度飲んでみたい」というおじいちゃんおばあちゃんたちからの要望がありました。知っているお茶屋さんに開発を持ちかけたけど、どこもやってくれませんでした。お茶屋さんはみんな「そんなものつくっても売れるのか?」と反応が鈍かったので、6年前に自分でやることにしました。

 お茶全体の市場は横ばいだが、最近売れているのは便利なペットボトルばかり。急須に茶葉を入れてお茶を淹れる層はどんどん減っている。若者には、茶柱自体を知らない人も増え「ゴミが入っている」と言われたという笑い話さえある。急須に必ず目の細かいアミが付くようになってから、茶柱が立たなくなったのも確かだ。

--最初から売れると思っていましたか?

宮木 ヒットするとは思っていませんでした。もともと販促が専門なので、初めからネット販売はせずに、国内の食品賞を受賞するように狙いました。そうしたら有名百貨店のバイヤーからどんどん声がかかるようになりました。22年の経験を活かした戦略です。

--どのへんがヒットの要因だったのでしょうか?

宮木 モノを売るのではなく、コトを売るんです。一本の茶柱から、きっかけづくりができて、茶飲み話が盛り上がるコト。茶柱縁起茶は100gいくらのお茶とは違います。あくまでもギフトやお祝い用です。敬老の日や受験シーズンに、茶柱を立ててあげて「いいことあるんじゃないの」って言ってあげられる、そういう商品って少ないですよ。昔から茶柱が立つと縁起がいいというし、茶柱っていうのはめったにないこと、ありがたいことが起きる吉事の前触れとして、男が立つとか床柱が立つとか縁起がいいと語り継がれてきました。日本人はゲン担ぎが好きなんです。