ダイエットサプリ販売のウソ「効果ないのに薬効を宣伝」
(「足成」より)
生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析。配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。
なお、以下の記事は、サイエンス・ライターがつづる化学コラムです。報道の見地から行っているものであり、再現性やその内容を保証するものではありません。一切の責任は、編集部および著者は負いかねます。また薬を服用する際は、医師や薬剤師にご相談ください。
オイッスゥ! 忘年会に新年会と、飲んだり食べたりする機会が増えますね。それと共に体重も増えますね!
そしてそういった飲み会に必ず一人はいる「このサプリ飲んでおけばOKだから」と豪語する御仁……。この“カロリーなかったことになるから”的なサプリを熱心に飲んでいる人、いませんかね?
本当に、そんな都合の良いサプリは存在するのでしょうか? メラメラ燃焼パワーで痩せるんでしょうか?
Ridiculous! Ridiculous!
今回は、ダイエットサプリという世界に火炎瓶を投げ込んでいきましょう。
●サプリメントとは?
まず、サプリメントという言葉の意味を復習しておきます。
サプリメントという言葉は、日本では「健康補助食品」を指し示す言葉です。「何を当たり前な」と言うなかれ、健康補助「食品」であって、あくまでクスリではないので、薬効などは存在しないのと同じ。むしろ、薬効を一言でも謳ったりすると、即、薬事法違反や不当表示防止法に抵触するただの食品なのです。
「いやいやそんなことはない、クスリのような形してるし、CMなどの広告では、痩せるとか目がよく見えるようになるとか言ってるじゃない」と思う人もいるかもしれません。でも、残念ながらこれらは錯覚です。必ず映像なり、紙面のどこかに「個人の感想です」と表記されており、それらの宣伝文句は商品の効果を説明したものではない……ということになっています。あくまで食品を売っていながら、薬効を思い起こさせる宣伝をして売るというのが、日本のサプリメント商売というものの実態です。
だいたいダイエットサプリのCMは、10年以上、年がら年中流れているのに、男性の3割、女性の2割が肥満傾向と年々肥満人口は増えています。おかしいですね。
そもそも、本当に飲んだだけで痩せる薬や、食べたことを無かったことにする薬なんてものが存在したら、深刻な肥満治療の最前線で大活躍しているはず。でも残念ながら、現在国内販売されているダイエットサプリメントはどれ一つ肥満治療に使われていません。
そ ん な ば か な
と言うなかれ、ひとつずつ解説していきましょう。