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JDI上場で波乱~野村證券と革新機構は出来レースで大儲け?個人投資家大損で疑問噴出

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JDI上場で波乱~野村證券と革新機構は出来レースで大儲け?個人投資家大損で疑問噴出の画像1「ジャパンディスプレイ HP」より
 日の丸ファンド、産業革新機構(以下、機構)が2009年に設立されて5年、支援した企業が初めて株式を公開した。3月19日、機構が86%出資していたジャパンディスプレイ(以下、JDI)が、ついに東証第1部への上場にこぎ着けた。

 機構は保有する株式の半分近くを売り出し、出資額の8割に相当する1600億円強を回収、売却益は700億円強となった。機構がこれだけの売却益を得られたのは、JDIの公募価格が900円と「信じられないほどの割高」(外国系証券会社アナリスト)に設定されたからだ。兜町では主幹事証券会社の野村證券と機構の出来レースといわれている。

 上場当日の3月19日午前8時台、JDIの気配値はストップ安水準の225円に張りついていた。もし、225円の初値がついたら、野村證券のみならず他の幹事証券会社の共同責任になる。そして何より、公募価格の妥当性に大きな疑問符がつくことになる。JDIの上場時の公募・売り出し株数は合計で3億5390万株とかなり大きな取引で、午前8時台の売り株数は4000万株を超えていた。人気離散などという状態ではなく、異常事態といえる展開となった。その後、JDIの初値は公募価格900円を14.6%下回る769円と、かなりの低水準の株価形成になった。

 上場初日午前の取引は公開価格を142円(15.8%)下回る758円で終えた。午前中の売買高は7937万7900株、売買代金は600億円とソフトバンクに次いで第2位。東証1部全体の7%を占めた。この日、JDI株は安値706円をつけたが、3月24日にはこれを一時下回り、705円の上場来安値に沈んだ。翌25日には700円ちょうどで始まり、これがこの日の安値となった。ちなみにJDIと同様に中小型液晶パネルを手掛けるシャープは、3月19日午前中に前日比16円安の294円まで売られた。このところシャープの株価は300円近辺で推移していた。

 中小型液晶パネルの13年の世界出荷金額ベースにおけるシェアは、JDIが16.2%、シャープが15.1%で、両社を3位の韓国LGディスプレイ(14.2%)が激しく追い上げている。JDIとシャープのシェアはそれほど変わらないのに、シャープの株価に比べてJDIの公開価格はあまりに高すぎることを疑問視する見方が、市場関係者の間で広がっている。多数の個人投資家が上場前にJDIを公開価格(900円)で買っているが、上場初日で20%近く投資額が目減りしたわけだ。14年の新規株式公開(IPO)はJDIで6社目だが、初値が公開価格を下回ったのは前日に上場した日立マクセルに続き2社目となった。

●公開価格で購入した個人投資家にしわ寄せ

 JDIは日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶ディスプレイ事業を統合して、機構が出資し12年に発足した会社のため、このメーカー3社と機構はJDIの株式を保有していたが、今回、JDIが公募増資で1億4000万株を発行すると同時に、その持ち株を4社計で2億1390万株売り出した。上場当日の3月19日付日本経済新聞朝刊が「JDIが液晶工場を新設する方針を固めた」と報じたことが売り圧力を増したとの指摘もある。「工場を新設するとなると、公募増資で調達した資金(1260億円)から1000億円前後を投じることになる」「投資額を回収するのは大変。収益への影響が出る」とマーケット関係者は懸念したのだ。

BusinessJournal編集部

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