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経済的負担、医師への不安……手塚治虫の愛弟子が見た、不妊治療の現実

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※画像:『不妊治療、やめました。~ふたり暮らしを決めた日~』(堀田あきよ&かよ/著、ぶんか社/刊)

 “妊活”という言葉が話題になっている昨今ですが、まだまだ「不妊治療を理解してもらえない」という声は至るところからあがっています。

 そんな不妊治療の体験を赤裸々に綴るのが、2011年に出版された『不妊治療、やめました。~ふたり暮らしを決めた日~』(堀田あきよ&かよ/著、ぶんか社/刊)。手塚治虫の愛弟子である堀田あきおさんと妻のかよさんによる10年間におよぶ不妊治療を、笑いやユーモアを交えて描いたコミックエッセイです。

■突然の子宮内膜症手術、度重なる人工授精、流産……。


 1991年2月、29歳の妻・かよが子宮内膜症で倒れるところから物語ははじまります。手術後に甲状腺がんの疑い、そして不妊症の診断。長い長い不妊治療の日々がはじまりました。

 苦しく、恥ずかしい不妊症の治療、度重なる人工授精。妊娠、そして流産……。不妊治療は保険がきかないため、精神的負担だけでなく経済的負担も大きいものでした。

 患者の立場に立とうとしない医者に出会っては、何度も病院を変え、不妊治療に励む日々。先の見えない不安と焦燥感が切実に綴られています。

■最後に選んだのは「ふたりで生きていく」こと


 数年の不妊治療を続けたのち、ある日かよさんは「……なんかもうイヤになっちゃった もうあんな医者たちにイヤな思いさせられたくないよ」とあきおさんに告げます。

 最後に夫妻が選んだのは「あきらめること」でした。

 「今月はだめだったけれど もしかしたら来月はできるかもしれない もしかしたらもしかしたら―― そんな思いでなかなかあきらめきれないまま5年10年とたってしまったけれど もう後悔はない――私たちは子供はいないけれど ふたりで仲良く楽しく生きていけるはずだから!」

 不妊治療をやめた夫妻は「抱えてるものが重ければ重いほどその人の人生を輝かせるのかもしれない」と信じ、二人で生きていくことを決めたのでした。

 本書につづられているのは不妊治療の壮絶な体験。そのなかで際立つのが、ときに笑いあい、ときに泣きあう堀田夫妻の“夫婦の姿”です。

 切なさとともに、さまざまな人生があるということを教えてくれる一冊です。
(新刊JP編集部)

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。