神奈川県の逗子海水浴場では来場者数が激減し、7月の集計では昨夏の2割にも満たなかった。これは、ここ数年問題視されている海水浴場の「クラブ化」を防ぐため、音響機器を使った音楽や砂浜での飲酒を禁止し、さらに海の家の営業時間を午後6時半までに制限した規制の影響とみられている。風紀上の問題から飲酒や喫煙などを規制する海水浴場が増加し、規制により風紀が改善して来場者も増えると考えられていたが、逆に来場者が減ってしまったという現象が起きている。
そこで今回、インターネット調査会社マクロミルと共同で人々の「海水浴」に関する意識調査を行ってみた。調査対象は20-59歳の1000名(男500、女500、男女それぞれ独身250、既婚子供あり250)
今夏、海水浴に行った(行く予定)の人は27.5%。「行かない」と答えた人は72.5%だった。夏の風物詩である海水浴だが、最近では行く人のほうが少数派なのだ。
さらに、「海水浴に行く回数が増えたか減ったか」という質問に対して、「増えた」という人は5.8%にすぎず、「減った」という人は36.7%、「変わらない」人が22.6%、「海水浴にはもともと行かない」という人は34.9%だった。
●なぜ海へ「行かない」のか?
気になるのは「減った」という人が36.7%もいる点だが、その理由をみてみると興味深いことがわかった。
20代独身女性では「誘ってくれる人がいない」「最近、海水浴場が汚くなった」といった理由が目立ち、20代独身男性では「仕事で忙しい」「社会人になって一緒に行く仲間がいない」といった回答が目立った。
20代後半から30代になると、既婚者は男女とも「子供が生まれたばかりで小さいので」といった理由が出てくる。さらに40代既婚者になると「子供が大きくなって一緒に行かなくなった」といった理由が大半を占めるようになった。40代後半から50代では「紫外線がつらい」といった年齢による理由が増えてくる。
海水浴に行かなくなった理由はさまざまだが、「子供の成長」が理由で行かなくなるということが全体でもトップの理由である。裏を返せば、家族連れ向けの施設が不十分であるということもいえるかもしれない。
また、「海水浴の代わりに何をしているか」という質問に対しては、42.3%が「近所で過ごす」、31.9%が「家でごろごろ」、13.3%が「ショッピングモール」、12.5%が「旅行」だった。「近所」と「家」で過ごすという人が合計74.2%もいるというのは驚きだ。