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デフレ勝ち組苦境、なぜホワイト企業好調?多い休日、短時間労働…労働環境改善が業績直結

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未来工業本社(「Wikipedia」より/Monami)
 人手不足が深刻化する中、「従業員に優しい企業」に関心が集まる。こうした企業はブラック企業の対極にあるとして、ホワイト企業と名付けられている。

 人手不足が最も深刻なのが外食産業だ。学生アルバイトの確保がままならず相次いで店舗閉鎖に追い込まれ、牛丼「すき家」のゼンショーホールディングスや居酒屋「和民」のワタミはブラック企業の典型としてインターネット上やメディアでやり玉に挙がっている。外食業界は低賃金、長時間労働というビジネスモデルに支えられたこれらの企業は「デフレ時代の勝ち組」といわれたが、脱デフレ傾向により賃金が上昇、人手不足が顕在化し、経営の逆回転が始まった。

 一方、職場環境や待遇面で従業員に手厚く報いてきた会社は、高コスト体質といわれ投資家からは敬遠されてきたが、チャンスが到来した格好となってる。

 ホワイト企業の代表格としてよく挙げられるのは、名証2部に上場している電気設備資材メーカー、未来工業(岐阜県安八郡輪之内町、山田雅裕社長)である。厚生労働省から「日本一休みが多い会社」として表彰されている会社だ。

 創業者の山田昭男氏は今年7月30日、多臓器不全で死去した(享年82歳)。山田氏は若い頃、岐阜県大垣市を拠点に演劇活動を行い、劇団「未来座」を立ち上げた。1965年、劇団仲間4人とともに未来工業を設立して社長になった。

 社員の自主性に任せたほうがうまくいくと考え、休日を増やしながら生産性を向上させる仕組みをつくるなど、その経営手法は型破りなことで知られた。1日7時間15分労働。残業禁止で仕事の自宅への持ち帰りもダメ。営業のノルマはない。上司に対するホウレンソウ(報告・連絡・相談)もやらない。上司が部下に、自分のやり方を押し付けることも禁止だ。いちいち上司にお伺いを立てていると自由な発想も自主性もなくなるからだという。社員がヤル気を出して働けるように休日は年間140日(有給休暇は除く)、年末年始は20連休。お客に怒られても休みを取るというのが未来工業の流儀である。70歳定年で従業員805人は全員が正社員。平均年齢44・2歳、平均勤続19年7カ月、平均年間給与624万円である。

●業績、株価が共に快調

 それでいて増収増益街道を快走中だ。電気設備や給排水設備資材は壁の裏側や床下に取り付けられるため、人目にあまり触れない。他社と同じものを手掛けていては価格競争に巻き込まれてしまうため、ニッチの商材に特化して商品数は2万点。独自商品が多い分だけ利益率は高い。2014年3月期の売上高は前期比12%増の352億円、営業利益は同32%増の51億円。売上高営業利益率は14.5%、自己資本比率は77.2%という優良企業だ。