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牧田幸裕「得点力を上げるための思考再構築」(12月22日)

幸楽苑290円ラーメン販売中止の高価格路線、それだけでは増収困難と予想される理由

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幸楽苑の店舗(「Wikipedia」より/ITA-ATU)
 2014年11月29日付「東洋経済オンライン」記事『幸楽苑「290円ラーメン」販売中止の衝撃』によると、「日本有数のラーメンチェーンを展開する幸楽苑が大勝負に打って出る」という。

「同社は、約10年にわたって看板商品だった290円(税抜き)の『中華そば』の販売を中止し、2015年4月から500円台の新しょうゆラーメンに主力商品を切り替える計画だ。11月27日の決算説明会で、新井田傳社長が明らかにした。主力商品の交代で、低価格志向から高単価路線への大転換を図る」(同記事より)

 さて、この方針転換はうまくいくだろうか? 経営戦略の観点から、成功可能性を考えてみたい。

 同記事によれば、方針転換の理由は以下の2つだという。

(1)岡山県限定「醤油らーめん」を520円で出したところ、支持が高かったこと
(2)食材費、電力料、人件費のコスト増

 幸楽苑はもともと290円の「中華そば」が全体の売り上げに占める比率は17%程度であり、販売中止のタイミングを図ってきたという。今回の方針転換により、同社は客単価が50円上がり、6500万人の来店客に掛け合わせて約33億円の増収になると見込んでいる。

 では、このもくろみ通り、増収は可能になるだろうか。

 筆者の予想では、「醤油らーめん」投入だけでは増収は難しく、他の策も検討すべきであると考えられる。

●日本のラーメン市場


 日本のラーメン市場は、大きく3つのセグメントに分けることができる。

 ひとつは、アンダー500円の低価格セグメントだ。リーズナブルに、そこそこ美味しいラーメンを食べることができるセグメントである。もともと価格が安いので、顧客は際立って味にこだわるわけではない。醤油ラーメンか味噌ラーメン、塩ラーメンを食べることができれば、満足できるセグメントである。