昨年12月19日、日本マクドナルドは2013年12月期の業績予想を下方修正し、売上高は2600億円(前期比で11.8%減)、経常利益を100億円(同57.9%減)と発表。米マクドナルドが9日に発表した11月の世界の既存店売上高は0.5%増と、アナリスト平均予想の0.6%を下回り、10日付ロイター記事は「日本での落ち込みも売り上げ全体の足を引っ張った」と解説している。
昨年12月20日付東洋経済オンライン記事によれば、業績予想の下方修正を招いた深刻な売り上げ不振の理由について、日本マクドナルドホールディングスの今村朗執行役員は「メニューがお客様の期待に応えられなかった」と語っている。
同記事は「8月に事業会社のトップが原田泳幸氏からサラ・カサノバ氏に替わり、新たな取り組みを進めてきたが、目に見える効果が表われるには、まだ時間がかかりそうだ」として、「新社長の下で、マクドナルドはどう進化していくのか。その一端は、12月25日に予定されている新年度のメニュー発表で明らかになるかもしれない」とまとめている。
その25日、マクドナルドは1月7日からキャンペーン「アメリカン ヴィンテージ」を開始すると発表。シカゴスタイルのソースにマッシュポテトを合わせ、ステーキプレートをイメージした「ダイナー ダブルビーフ」をはじめ、1月下旬まで随時、新バーガーの期間限定販売を実施した。
Twitterの反応を見ると、期間中に販売されるサイドメニュー「クラシックフライ チーズ」への期待が高そうだが、新バーガーはいずれも単品で400円前後という高めの価格設定。「この値段がマックというイメージが定着しちゃうと、値段のわりに味はそうでもないという認識になって、本格的にマズイと思うけどね」「今までのメニューの各部位を寄せ集めて生み出したような適当な新バーガーはリリースを控えて、週替わりか曜日替わりでフィレオフィッシュとかダブルチーズバーガーとかナゲット100円みたいなことをするだけでもだいぶマシになると思うなあ」など、厳しい意見も散見された。来年に向けては、朝食メニューの充実やヘルシーメニューの強化も発表されているが、ネット上では「安さ」と、その中での「品質の向上」を訴える声が大きいようだ。
●効率優先が招いた、顧客体験の質の低下
ビジネスラボ代表取締役の大西宏氏は昨年12月23日、自身のブログで「もはやハンバーガーやサイドメニューのバリエーションだけでは厳しいのではないでしょうか」と語っている。同氏によれば、ファストフード業界では台頭してきたコンビニの日配商品との競争が加熱しており、「セブン-イレブンなどのコンビニが、店内で淹れるコーヒーの成功をさらに広げ、セイコーマートのように店内料理に力を注いでくれば、さらにコンビニは、ファストフード業界との競争で優位になってきそう」と分析。「『マクドナルドにでも行くか』から『マクドナルドに行きたい』という魅力づくりの問題ではないかと思います」と締めくくっている。