NEW

カルビー「松本の魔法」、高収益企業へ大変身 グローバル企業への脱皮に向け改革本格始動

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

カルビー「マイ・グラノーラスタイル」
 駅の中を略した「駅ナカ」という言葉が広く使われるようになった。東日本旅客鉄道(JR東日本)は2003年9月、駅ナカビジネスの専門会社JR東日本ステーションリテイリングを設立。駅構内で飲食店や理髪店、コンビニエンスストアなどを展開する新しいビジネスモデルを成功させた。

 菓子メーカー、カルビーは15年2月1日付で、上級執行役員に鎌田由美子氏を迎える。鎌田氏は駅ナカビジネスの仕掛け人として知られており、新規事業の立ち上げを担当する。鎌田氏は1989年にJR東日本へ入社し、本社開発事業本部を経て大手百貨店に出向。駅ビルなどへの出向を経て、01年に本社事業創造本部で「立川駅・大宮駅開発プロジェクト」を手掛けて注目を集めた。05年、駅ナカの商業施設「ecute(エキュート)」を運営するJR東日本ステーションリテイリング社長に就任した。13年5月からはJR東日本研究開発センター、フロンティアサービス研究所の副所長だった。

 09年6月、カルビーの会長兼CEOに就いた松本晃氏は、10年4月、新たに「ダイバーシティ(多様性)委員会」を設置した。多様な人材が、どのようなライフステージにあっても能力を最大限に発揮しながら安心してイキイキと働ける会社を目指すためにつくられた組織だ。10年11月10日、全国から226名が集まり、本社上階のシャングリ・ラホテル東京で「ダイバーシティ・フォーラム2010」を開催。松本氏は次のように語った。

「女性の活躍なくしてカルビーの成長はない。私が経営者として会社を成長させるために、ダイバーシティに投資するのは当たり前のことです。ダイバーシティに取り組まない限り、会社は存続できません。今こそ、会社を変えるチャンスなのです。ダイバーシティの推進は、私のコミットメントの1つです」

 同フォーラムのゲストに招かれたのが、当時JR東日本事業創造本部 地域活性化部門部長の鎌田氏だった。これ以来、カルビーはダイバーシティへの取り組みを通じて鎌田氏との交流を深めてきた。

 カルビーで鎌田氏はどのような新規事業を期待されているのか。鎌田氏は14年7月30日付「日経トレンディネット」コラム記事『米国でも地産品が大人気!トレンド発信地「ブルックリン」から学べること』で、ニューヨーク市にある商業・海運の中心、ブルックリンで工場を併設した地産品店が大人気であることを紹介し、「地価の高い大都会の真ん中だからこそ、工場併設のインパクトは絶大と感じました。日本だと、銀座のキムラヤさんみたいな感じでしょうか」と綴っている。都心にカルビーの工場を併設した地産品店をつくることに関心を持っている可能性もある。

●グローバル展開を本格化


 09年6月、会長兼CEO(最高経営責任者)にジョンソン・エンド・ジョンソンから転じた松本晃氏が就任して以来、カルビーは大きく変わった。松本氏は、コスト管理をしっかりやれば、もともと持っている力を発揮できると考えた。組織を簡略化して変動費を下げた。高コストの温床になっていた低い工場稼働率を一気に高め、固定費を下げた。これで売上高営業利益率が大幅に改善し、儲かる会社になった。かつて1%台だった営業利益率は、15年3月期に10.5%となる見込み。中期的には15%を目指しており、「松本の魔法」と評せられている。