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トヨタ、“2千億円”五輪スポンサー契約に秘めた裏の思惑 税金投入による巨額利益狙いか

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3月13日、国際五輪委員会(IOC)とスポンサー契約を結んだトヨタ自動車の豊田章男社長(左から2人目)
 トヨタ自動車が国際五輪委員会(IOC)と最高位のスポンサー契約、TOP(ザ・オリンピック・パートナー)契約を結んだ。業績が好調で過去最高益を更新しながら、今期を「意志ある踊り場」(豊田章男トヨタ社長)と位置づけて工場新設などの大規模投資を手控える一方で、2000億円とも予想されるTOP契約を結んだトヨタの皮算用とはなんなのか。

 TOPは、全世界で五輪のロゴマークを使用したマーケティングが可能となる。トヨタがTOP契約を結んだのは、世界中から注目されるオリンピックが、グローバル展開を本格化するトヨタのマーケティング戦略に大きな追い風になると判断したとの見方が強い。
 
 TOPは1業種1社に限られ、トヨタ以外ではコカ・コーラやマクドナルド、サムスン電子など11社がすでに契約しており、日系企業ではパナソニック、ブリヂストンに続いてトヨタが3社目となる。これまでTOPに自動車メーカーはいなかった。自動車産業はすそ野の広い巨大な産業で地域志向も強いことから、世界中で開催される五輪のスポンサーになじみにくいというのがその理由だといわれている。

 五輪開催国では多くの場合、地元の自動車メーカーや、開催地に工場を持つ自動車メーカーが組織委員会のスポンサーとなって、運営に必要な車両などを提供している。他のTOP契約企業は契約金500億円以下とみられる中、トヨタは10年間で2000億円程度とみられる破格の契約金を差し出すことで、自動車メーカー初のTOPとなった。
 
 リーマンショック後、着実に業績を回復し、今期は営業利益が2兆7000億円と過去最高益を更新する見通しのトヨタ。それでも本業である自動車事業では「足元を固める」として工場の新設など、大規模な投資計画を事実上凍結したままにしている。にもかかわらず、巨額の支出をしてまでTOPにこだわった背景には、東京五輪で燃料電池車などのトヨタが先行する技術を世界にアピールする格好の機会と捉えているからだ。

●狙いはFCVのアピール


 トヨタは2020年の五輪開催地として東京が決定してから、最高位スポンサーとなることを模索してきたが、最も気に掛けていたのが日産自動車の動向だ。日産は16年にブラジル・リオデジャネイロで開催される五輪の組織委員会と公式スポンサー契約を締結。契約金に加えて、運営に使う車両として自社の電気自動車など4500台を提供する。トヨタ担当者は日産に対して、東京五輪のスポンサーを含めた対応状況を非公式にヒヤリングし、日産が公式スポンサーに興味を持っていないことを確認した上で、TOP契約に向けた活動を本格化してきた。

 トヨタは、「世界中の目が東京に集まる」(豊田社長)東京五輪を自社技術の絶好のPR機会とすべく、東京五輪開催中のモビリティ分野を是が非でも主導したかった。