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ミニバン、危険でお金を払う価値なし?ワースト1位はトヨタ「エスティマ」?

文=沼澤典史/清談社
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ミニバン、危険でお金を払う価値なし?ワースト1位はトヨタ「エスティマ」?の画像1トヨタの「エスティマ」(「トヨタ エスティマ | トヨタ自動車WEBサイト」より)

 1980年代まで、ファミリーカーの主役はセダンだった。しかし、1994年に発売されたホンダの「オデッセイ」が大ヒット。それを機にミニバンの新型車が続々と登場し、以降20年間にわたってミニバンはファミリーカーの王座に君臨してきた。

 室内空間が広く大人数が乗ることができ、シートアレンジが多彩で使いやすい。さらに、電動スライドドアの採用など高級感のある車種も多い。そうした事情から、「ミニバンを持つことが父親のステータス」ともいわれたほどだ。

 ところが、近年はミニバンの凋落が顕著になっている。よく指摘されるのは「人気のSUV(スポーツ用多目的車)に取って代わられている」というものだが、それだけではない。実は、その原因はミニバン自体にもあるのだ。自動車に詳しいライターの呉尾律波氏に、人気凋落を招いた「ミニバンのワースト3」を挙げてもらった。

各メーカーが次々と生産終了、マツダは撤退

 昨年1年間でもっとも売れたミニバンは日産自動車の「セレナ」。販売台数は約10万台で、全乗用車のなかでも4位に食い込んでいる。ほかにも、トヨタ自動車の「シエンタ」が5位、同じくトヨタの「ヴォクシー」が6位と、トップ10に3台のミニバンがランクインしている。

 一方で、近年は各メーカーでミニバンの生産終了が相次いでいる。トヨタ「ウィッシュ」「アイシス」「イプサム」、ホンダ「ストリーム」「エリシオン」、日産「プレサージュ」「ラフェスタ」、さらにマツダ「プレマシー」「ビアンテ」、三菱自動車「グランディス」、スバル「エクシーガ」など、10車種以上が生産終了となっているのだ。

 また、「中古車市場でもミニバンの凋落が見て取れる」と呉尾氏は指摘する。

「昨年のはじめくらいから、ミニバンの中古車が値崩れしています。2、3年前までは強気な価格設定でしたが、おそらく中古車がだぶついているのでしょう。これは新車としての需要も下がってきていることの表れです」(呉尾氏)

 実際、各メーカーの新型車もここ数年はSUVが目立つ。マツダに至っては一昨年にミニバンそのものから撤退し、ミニバンのような3列目シートを持つ7人乗りの大型クロスオーバーSUV「CX-8」を発売した。これは、明らかにミニバンのユーザー層をターゲットにしたモデルだ。

「近年は各メーカーからミニバンのニューモデルが発売されておらず、マイナーチェンジばかりを繰り返しています。ミニバンブームが過ぎ去り新顔も出てこないとなると、販売台数は徐々に減少していくでしょう。マツダに続き、撤退するメーカーが出てきてもおかしくはありません」(同)

ミニバン凋落の原因はトヨタ・エスティマ?

 なぜミニバン人気は低下したのだろうか。それは、SUVの台頭に加えて「ミニバン自体が抱える多くの問題が関係している」と呉尾氏は話す。

「ミニバン凋落のきっかけをつくったのはトヨタ『エスティマ』です。初代は過剰品質と思えるくらい、しっかりとしたクルマでした。しかし、ミニバンという金脈を発見したトヨタは、2代目『エスティマ』から外装だけを先進的にし、各部のコストをごっそり削ぎ落としてしまった。その商法をほかのメーカーが追随し、少しずつ個性を出し合っていたのが、かつてのミニバンブーム。その結果、ハリボテのようなクルマが大量生産されてしまったのです」(同)

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