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東大生の就職先、上位が外資系コンサル多数と楽天G…アクセンチュアは66人

文=Business Journal編集部、協力=川畑翔太郎/株式会社UZUZ COLLEGE代表取締役
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東京大学(「gettyimages」より)

 東京大学新聞社がまとめた2023年度の東大卒業・東大大学院修了者の就職実績で、学部卒業者の企業別ランキングでは総合商社やメガバンク、財務省や外務省などの中央官庁、大手メーカーなどを抑えて1~2位が外資系コンサルティング会社となった。みずほ銀行や住友商事、経済産業省などを抑え、楽天グループが9位にランクイン(三井物産、三井住友銀行と同順位)している点や、学部卒業者で2位、大学院修了者で1位のアクセンチュアが計66人に上る点なども注目されている。この結果から読み取れる、東大をはじめとする上位大学学生のキャリアに関する考え方や意識とは何か。専門家の見解を交えて追ってみたい。

 東大生の就職先といえばメガバンクや総合商社、中央官庁、理系であれば大手メーカーというのが一昔前の王道だったが、近年では様変わりしている。23年度卒業・修了者への調査によれば、学部卒業者の1位はEYストラテジー・アンド・コンサルティング、2位はアクセンチュアと外資系コンサルが占め、3位は日本のアビームコンサルティングとなった。5位はゴールドマンサックス証券、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、マッキンゼー・アンド・カンパニー、日本生命で、民間企業上位5位(8社)のうち5社が外資系コンサル・金融となっている。

 民間企業上位18位(23社)のうち7社が外資系コンサル・金融で、メガバンクトップの三菱UFJ銀行、国内の証券会社、大手メーカーは圏外。大学院修了者では1位がアクセンチュア、2位がIT系コンサル・SIerの野村総合研究所で、こちらも楽天グループが5位に入っている。

大きなリターンを得られるかという点を重視

 UZUZ COLLEGE代表取締役の川畑翔太郎氏はいう。

「タイパというキーワードがよく聞かれるようになりましたが、今の20代はキャリアにおいても時間(費用)対効果、自分が費やした労力と時間に対してどれだけ大きなリターンを得られるかという点を非常に重視します。この年代の人々は新卒で入社した企業で定年退職まで働き続けるという終身雇用的な発想を持っておらず、将来の転職を前提として会社選びをするため、20代のうちに多くの時間を費やして働くなかで、できるだけ高いビジネススキルを身につけて『市場価値の高い人材』になれるのかという観点を重視します。そうなると、ビジネス総合力を習得しやすい外資系コンサル・金融、日本企業であれば総合商社が選ばれやすくなります。それと同じ理由で、非効率的かつ無駄な事務作業に多くの時間を費やされ、ビジネスの世界ではあまり汎用性がないスキルが身につく公務員は避けられる傾向になります。また、リターンという意味では、日本企業より外資系企業のほうが大きく給与水準が高いという点も影響しているでしょう。

 こうした企業・省庁の働く環境や報酬の実態に関する情報を、SNSの普及により学生が簡単かつ大量に入手できるようになったことも、要因としては大きいでしょう」

 一方、外資系企業側の動きも、近年の東大生の就職先選びに影響をおよぼしているという。

「たとえば、これまでは国内系SIerがマネジメントのトップに入っていたようなプロジェクトでは、代わりにアクセンチュアなどのITコンサル会社が入るようになり、ここ数年、コンサル需要が高まっています。そしてコンサルの領域では外資系が強いので、案件数が増えたことで人材の頭数が必要になった外資系コンサル会社が中途採用だけでなく新卒採用にも力を入れるようになり、多額の予算を使って採用向けコンテンツをつくるようになりました。その結果、人材サービス会社も『就職するなら外資系コンサル』とPRするようになっていることも、就活生の意識・行動に少なくない影響を及ぼしているでしょう」(川畑氏)

止めようがないサイクル

 就活生の外資系志向は、日本企業にとって課題になりつつあるという。

「さまざまなプロジェクト案件のコンペで日本企業に外資系コンサルが競り勝つようになり、そこで得た利益を元手に社員により高額な給与を支払う外資系が、採用の面でも日本企業に競り勝って優秀な人材を獲得するというサイクルが、すでに生じているように感じます。キャリア形成の面でも報酬の面でもリターンを重視する20~30代の思考も手伝うかたちで、このサイクルはもはや止めようがない状況になっています」(川畑氏)

 ちなみに楽天グループが上位にきている理由について、転職支援サービス会社社員はいう。

「楽天が上位大学の学生の獲得に力を入れているというのもありますが、同社は実力主義の風潮が強く、20代でも能力があればどんどん部長クラスに抜擢されて責任ある仕事を任され、また新規ビジネス開発に携わることができます。また、中途採用では高い実績やスキルのある人材に比較的高めの報酬を出すため、マネージャークラスは年収が高くなっているとみられます」

(文=Business Journal編集部、協力=川畑翔太郎/株式会社UZUZ COLLEGE代表取締役)

川畑翔太郎/株式会社UZUZ COLLEGE代表取締役

川畑翔太郎/株式会社UZUZ COLLEGE代表取締役

1986年生まれ。株式会社UZUZ
COLLEGE代表取締役、UZUZグループ専務取締役。鹿児島出身で高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻し、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。1年目から商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動。毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。自身のキャリアチェンジのため、UZUZ創業に参画。これまでに累計2,000名以上の就業サポートを実施。IT分野の教育研修サービス「ウズウズカレッジ」だけでなく、自治体の公共事業受託、企業ブランディングを担当。IT分野のリスキリングは「ウズウズカレッジ」をご活用ください。
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