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セブン&アイ対イオン、仁義なき地方スーパー争奪戦勃発 互いの牙城を容赦なく侵食

文=編集部

セブン&アイ対イオン、仁義なき地方スーパー争奪戦勃発 互いの牙城を容赦なく侵食の画像1イオンモールの店舗(「Wikipedia」より/わたらせみずほ)
 大手流通各社の綱引きが活発化している。各社が陣営に取り込みたいのは業績が好調な食品スーパー。総合スーパー事業(GMS)で苦戦する大手流通は、食品スーパーの囲い込みに必死だ。

 イオン系首都圏食品スーパーの統合会社ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(HD)が3月2日に東証1部に上場した。初値は基準値(979円)に比べて6%高い1039円、終値は1015円、時価総額は1336億円。主な上場食品スーパーでは、ヤオコー(1624億円)、平和堂(1542億円)に次ぐ規模だ。3月10日に177円高の1447円まで買われ、高値を更新。新規上場の基準値(979円)を起点に7連騰し、3月10日までに48%上昇するなど、まずは順調な滑り出しとなった。

 地方が中心のイオンにとって、首都圏の攻略は長年の課題だった。2003年にカスミに資本参加して以降、紆余曲折を経てマルエツ、カスミ、非上場のマックスバリュ関東の食品スーパー3社の経営統合にこぎ着けた。単純合計した持ち株会社ユナイテッドHDの15年2月期の営業収益(売り上げに相当)予想は6400億円、営業利益は105億円で業界トップに浮上する。3社の店舗数は合計で481店に上り、ライバル企業の3倍以上だ。

 ユナイテッドHDの上田真社長(マルエツ社長を兼務)の計画では、首都圏の食品スーパーのトップの座を不動のものにするために、20年までに1000店舗体制、年商1兆円の達成という目標を掲げている。イオンの岡田元也社長が「首都圏食品スーパーマーケット連合」構想を打ち出してから約2年。ようやく船出した。

 だが、イオンの足元の業績は厳しい。15年2月期の業績予想を大幅に下方修正した。営業利益は前年比18%減の1400億円となり、3期連続の営業減益だ。2000~2100億円としていた従来の予想から一転して、600~700億円目減りすることになる。昨年4月の消費増税後、主力のGMSであるイオンリテールやダイエーの業績の足踏みが続いた。既存店売上高は、14年3月から15年2月までの累計でイオンリテールが2.8%減、ダイエーが3.5%減だ。16年2月期は、好調なユナイテッドHDが収益増に寄与すると期待している。

セブン&アイHDも囲い込み加速

 コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパン、GMSのイトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイHDは、地方の食品スーパーの囲い込みを図っている。3月10日、関西の食品スーパー、万代と資本業務提携を結ぶ方針を明らかにした。商品や物流で連携し、万代株式の30%を200億円で来春までに取得する。万代は大阪を中心に兵庫、奈良、京都、三重も含めて150店舗を展開している。上場はしていないが、14年2月期の売上高は2793億円と大阪府でトップシェアを誇る。

 セブン&アイHDは首都圏に強い。傘下のイトーヨーカ堂の7割、セブンの4割近くの売り上げが関東に集中する。手薄な地域の強化を目指し、13年には北海道のダイイチ(30%出資)、14年には岡山の天満屋ストア(20%出資)と資本提携した。

BusinessJournal編集部

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