GMトップの高額報酬が明らかとなり、14年3月期に9億9500万円の報酬を得た日産自動車のカルロス・ゴーンCEOが、今年はついに10億円以上の報酬を手にすることになるとの見方もある。日産と資本提携する仏ルノー(ゴーン氏がCEOを兼務)では、仏政府がルノー株式を買い増し、保有株の比率は15.01%から19.74%に高まった。4月30日のルノー株主総会が注目されたが、長期保有する株主の議決権を2倍にする制度の適用が決まった。ルノーと日産の経営陣は適用に強く反対していたが、会社側の提案が否決され、仏政府が力で押し切った。この結果、筆頭株主である仏政府の影響力が強まることになる。仏政府の保有比率は議決権ベースで従来の17.8%から28%に高まる見通しだ。この結果、ルノーからゴーン氏に支払われる報酬はこれまでより抑えられ、日産側からその分多く支払われるとの見方も強い。
仏経済省関係者によると、仏政府は一定の条件を示してルノー側に議案の提出を取り下げるよう求めたが受け入れられず、株の買い増しという実力行使に出たといわれている。ルノー側が議案を通すには、株主総会で3分の2以上の賛成が必要だったが、賛成は約6割にとどまり、新しいルールの適用が決まった。
経営陣更迭のシャープ
業績不振が騒がれるシャープは経営責任を明確にするため、代表権を持つ副社長と専務の計4人を6月の株主総会で更迭するが、高橋興三社長は留任する。「代表権を持っている5人全員をクビにしたら、メインバンクとしては次にクビを切る人事のカードを失ってしまうことになるからだ」(市場筋)。今回更迭されるのは、水嶋繁光副社長(技術担当)、大西徹夫副社長(経営管理)。水嶋氏は代表権のない会長、大西氏は代表権のない平取締役に降格される。この2人は当初退任の予定だったが、代表権は失ったものの取締役としては残り、社内に不満が渦巻いている。方志教和専務(液晶など、部品事業担当)、中山藤一専務(家電など商品事業)の2人は辞任する。