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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

鼻毛カッター、買う“恥ずかしさ”を消すモノすごい販売手法!鼻毛への注意緩和

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パナソニック「ER-GN10」
 鼻毛って、情けなく悲しい存在ですよね。あらためて文字に表してみても、なんともいえない字面です。髪の毛はないことにより悲しい思いをする場合もあるでしょうが、それ自体は可も不可もない中立的存在です。眉毛も髭も、無下な扱いをされているとは思えません。そのような中、鼻毛だけがこれほど不当に扱われるのはなぜでしょうか? あの微妙なカーブのせいでしょうか?

 負のイメージを持つものに関連する商品に対しては、購買意欲にも負の影響があるように思います。鼻毛カッターも、購入するには多少なりとも抵抗があります。しかしながら、鼻毛の未処理は、商談や恋愛に深刻な問題をもたらす場合もありますので、鼻毛カッターは非常に重要な商品といえます。本来、多くの人がもっと積極的に購入を検討してもよいはずです。

 このような、「ちょっとカッコ悪い」「買うのが恥ずかしい」といった要因により、購買意欲が湧きにくい、店頭で買いにくい商品に対しては、メーカー側は工夫が必要となります。

『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)

鼻毛カッターのマーケティング

 筆者が先日購入したパナソニックの「ER-GN10」という商品は、価格1000円程度であるにもかかわらず、創意工夫に満ちています。

 まず、パッケージにおいては、これはパナソニックの商品に限りませんが、鼻毛カッターではなく「エチケットカッター」という表現になっています。コピーも「フェイスグルーミングがこれ1台で!」とあり、「顔の毛の処理」などの言葉を用いていません。グルーミングは一般にはペットショップで犬などに対する被毛の手入れを指す場合が多いようです。イメージを変える、もしくは和らげるために、カタカナは便利であるとあらためて感じます。

 さらに、パッケージには「鼻」「眉毛」「髭」「耳」という4つの抽象化されたイラストが掲載されています。形状などから判断すると主たる用途は鼻だと思うのですが、それ以外にも使えるということを表現しています。こうした鼻以外のイラストは、幅広い利便性の訴求に加え、鼻毛への注目を緩和させる“オトリ効果”を持っているのではないでしょうか。つまり、消費者がレジで精算する際に、店員に対して「鼻毛処理用としてではなく、ヒゲの手入れのために購入する」とアピールする気休めを与えてくれるように思えます。

 筆者の主観的な判断ですが、デザインはスタイリッシュのように感じます。また従来、この手の商品は、おおむね黒やグレーが主流だったと思いますが、赤、黒、白の3色のバリエーションがあります。筆者が購入したER-GN10のほかにも、細身タイプのER-GN20や水洗い可能なER-GN30などが1500~2000円程度の価格で揃っています。