NEW

マイナンバー制はプライバシー侵害、はデタラメ?国民に実害なくメリット大

【この記事のキーワード】

, , ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「Thinkstock」より
 来年1月から運用が始まるマイナンバー制度について8月28日、弁護士や市民でつくるグループが違憲であるとして、今年12月をめどに東京や大阪など全国7カ所の裁判所で一斉に訴訟提起する方針を固めた、とのニュースがありました。

 主張によると、「マイナンバー制度はプライバシー権を保障した憲法に違反する」とのことのようです。

 このグループの中心メンバーとされる弁護士の水永誠二氏は、「年金情報が漏えいした問題が起きたように、情報が絶対に守られるとは言い切れない。いったん止めて考え直すべきで、問題提起していきたい」と話しているとのことです。

 今年10月からマイナンバーの通知が始まるのを控え、現在あちこちでマイナンバーに関するセミナーを開催している筆者は、このニュースにとても違和感を覚えたので、議論のための問題提起として、このトピックを掘り下げていきたいと思います。

マイナンバー制度の理解とリスク

 マイナンバー制度については、これまで当サイト内でも何度か取り上げています(4月13日付『マイナンバーで大混乱必至?不正利用や情報漏洩は厳罰、「手間がかかるシステム」と批判』等)ので、ここでは詳しい説明は割愛しますが、要するに日本に住民票がある日本人や外国籍の長期滞在者などに12桁のナンバーを割り当て、これを税金の申告や年金の手続きを行う際などに提出させ、これにより行政サービスを円滑に進めようというものです。

 このマイナンバー制度については、政府広報やメディアなどがさまざまな報道をしています。まとめてみると、これまで税務署や市役所、年金事務所といった国や地方公共団体の機関が独自に管理・運用していた納税記録や家族構成、年金の積立記録といった個人情報について12桁の番号を“アクセスキー”として名寄せができるようにするのです。それにより、行政は仕事を効率化でき、国民個人は必要な行政サービスを楽に受けられるようになります。

 例えば、あるA区役所が、最近B区からA区に引っ越してきたXさんに児童手当を支給する手続きのケース。これまでは、児童手当が減額される所得制限に該当するかどうかを判断するため、Xさんにいちいち「所得を証明する書類」を提出させていましたが、これからはB区に「12桁の番号」を使って問い合わせるだけで、この作業が済むことになります(注:実際の手続きは異なる可能性があります)。