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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

子宮頸がん検診は無意味?がん死亡は減らず、寿命も延びない

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参照図
 「医療批判本」なる書籍のジャンルがあるそうです。そんな批判本のひとつに対し批判がなされ、そのまた批判が……という興味深い論争が、インターネット通販サイト、アマゾンのカスタマーレビュー欄上で繰り広げられています。

 論争のテーマは、女性に対する「子宮頸がんの定期検診」(以下、検診)です。きっかけとなった本には、「検診で子宮頸がんによる死亡は減らない」と書いてあったのだそうです。その本に対して、ひとりの読者が「データの見方が偏っている」「この本で多くの女性が子宮頸がんで命を落とすことに」と、激しい論調の批判文を投稿しました。「検診で、がんの発生率や死亡率を70~80%減らせる」とも書かれています。

 注目すべきは、この批判文に対して、「参考になった」をクリックした人が1300人以上もいたことです。たぶん、前代未聞です。

 ところが、さっそく別の読者から、「検診で異常とされる割合はあまりに高すぎて、実際の死亡数の100倍から3000倍にもなる。子宮頸がん検診は、やはりおかしい」という主旨の批判文が投稿されました。

そもそも発想が間違っている


 この論争の背景をまとめておきましょう。ちなみに子宮頸がん検診は、細胞をヘラなどで採取して顕微鏡で調べるという方法で行われています。異常が見つかれば、精密検査・治療へと進みます。このような検診の効果を検証した調査は世界中に多数ありますが、論文の内容はどれもよく似ています(意味不明の論文が多い点でも)。

 そんな中から、メキシコでの大規模調査の結果を報じた論文を見てみます。まず検診でがんと診断された人たち(患者群:397人)について、過去に検診を受けていた割合(受診率)を調べたそうです。次に、比べる相手として健康な人たち(対照群:1005人)を、年齢分布が一致するように無作為に選び、受診率を調べました。計算の結果、患者群は受診率が(対照群を1とすると)0.38となり、検診をあまり受けていないことがわかりました。「検診を受ければ、がんになる割合は大幅に減る」と結論したのです。

 この結論が果たして正しいのか、検証してみましょう。