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「雇用情勢は絶好調」はまやかし?地方では悪化や不況の兆候 トヨタのお膝元でも異変

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求人・求職及び求人倍率の推移(「厚生労働省 HP」より)
 厚生労働省は毎月月末、「労働力調査」として前月の完全失業率と有効求人倍率を算出・公表している。8月の有効求人倍率は1.23倍で、バブル景気末期の1992年1月の1.25倍以来、23年7カ月ぶりの高水準だった。


 これは全国平均の数値だが、厚生労働省には各都道府県に「労働局」という出先機関があり、管内各地の職業安定所(ハローワーク)を統轄している。毎月、その求職数と求人数を集計し、各ハローワーク別、都道府県別の有効求人倍率を算出・公表している。

 東京の品川、飯田橋、渋谷、愛知の名古屋中、名古屋東、大阪の梅田、大阪東、大阪西、広島の広島、広島東、福岡の福岡中央など大都市中心部のハローワークは、求職者も多いが求人も集中するので有効求人倍率が2倍、3倍になることが珍しくない。復興が進む東日本大震災の被災地の東北三県(福島、宮城、岩手)の沿岸部にも、月によっては有効求人倍率が2倍を超えるハローワークがある。

 ハローワーク別の有効求人倍率を見ると、地域経済の現状だけでなく、いま好調な産業、不振な産業や、大企業の業績の良し悪しや製造拠点の進出、撤退の影響がうかがえる。その現状は、地域によっては「バブル景気以来の好況」どころか、深刻な景況の悪さをみせている。また、今年の初めと比べて有効求人倍率が急減している地域があり、今後の景気悪化の兆候も垣間見える。

自動車産業王国、三河地方、遠州地方の有効求人倍率が変調をきたしている


 日本の基幹産業といえば、その代表は自動車産業とエレクトロニクス産業。どちらも部品供給の「下請けピラミッド」、販売会社や物流などサービスまで含めれば産業の裾野が広大で、大きな雇用吸収力を持っている。

 自動車産業が盛んな地域として誰でも思い浮かぶのが、トヨタ自動車のおひざ元、愛知県の三河地方だろう。浜名湖をはさんで浜松市、磐田市など静岡県西部の遠州地方にかけて、完成車工場、デンソーのような大手部品メーカーから小物部品のプレス加工をする小さな町工場まで、日本一の産業集積がある。

 この地域のハローワークの有効求人倍率がいま、年初に比べて低下していることをご存知だろうか。

【愛知県三河地方、静岡県遠州地方のハローワーク別有効求人倍率の推移(2015年2月→8月)】

※左が2月、右が8月の数値

岡崎   1.92   1.44
豊田   1.00   0.97
刈谷   1.61   1.65
西尾   0.95   0.88
豊橋   1.90   1.43
豊川   0.84   0.85
新城   0.97   0.93
掛川   1.38   0.97
磐田   0.95   0.81
浜松   1.30   1.10
細江   1.03   0.88
浜北   0.71   0.55
(出典:愛知労働局、静岡労働局の統計資料より/パートを含む常用)