ディズニーR、突然の雇い止めにキャストが蜂起!USJ、ショー負傷者に解雇通告?
ブラック企業が横行する日本。これでは、安倍晋三政権が掲げる日本再興戦略「JAPAN is BACK」 ならぬ「JAPAN is BLACK」ではないか。しかし、そんな暗闇に満ちた社会で一生懸命に働く当事者たちはまぶしい光を放っている。本連載では慶應義塾大学経済学部教授の金子勝氏が、そんなブラック企業で働く人たちにスポットを当てて、闇の社会の実態に迫る。
今回、金子氏は業績絶好調で大人気の東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドに対し、労働環境の改善を訴えるオリエンタルランドユニオンの書記長である浜元盛博氏に
・なぜユニオン結成に至ったのか
・TDRの労働環境の実態
などについて話を聞いた。
金子勝氏(以下、金子) 浜元さんは沖縄の出身と聞いておりますが、どのような経緯でTDRで働くようになったのですか。
浜元盛博氏(以下、浜元) もともとは沖縄でダイビングのインストラクターをやっていました。しかし、ある時、ひとつ年上の先輩が事故で亡くなってしまい、そこで働くことに疑問を感じて沖縄以外も見てみたいと九州・福岡に出ました。ダイビングは民間資格のうえに店次第でインストラクターは簡単に死の危険にさらされることもある世界でした。福岡ではイベント関係の仕事を始めました。音響や照明、お客さんの誘導などをやっているうちに、そこでヒーローショーで着ぐるみの中に入る人が足りないということで誘われるままにショーの世界に入っていきました。
しかし、日給はたった5000円で、休みなく100日間働きました。寮があったので家賃と飲食代はかからず、給料は安くても暮らせましたが、先輩の世話もしないといけない体育会系の環境でした。ここで長く働くべきではないと思い、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で働くことにしたのです。
金子 USJでは生活が向上しましたか。
浜元 USJは1年ごとの業務委託契約で、各従業員は個人事業主扱いです。住居はとても狭い部屋を用意してくれましたが、最近はそれもなくなってしまったようです。
USJで働いている時にケガしたことをきっかけに、運営会社であるユー・エス・ジェイに対する不信が高まりました。ショーの中で、高さ10メートルのところからロープで下りてくるシーンがあったのですが、ロープが外れて床に叩きつけられて脚の付け根を折ったのです。新しいロープに替わって滑りやすくなっていたので、元に戻してほしいと何回もお願いしていたにもかかわらず替えられず、その結果として事故が起きました。私の転落事故の後に別の人も転落し、2人がケガをしたことでようやくロープが替えられました。その上、入院して1カ月ほど休んでいたことで「クビを覚悟してください」と通告されたのです。