「暗い部屋に閉じ込められた」――
先月末、2014年3月に埼玉県朝霞市の自宅近辺で目撃されたのを最後に中学1年生の女子生徒が行方不明となっていた事件が急転直下、解決した。すでに報じられているように、千葉大学工学部在籍の寺内樺風容疑者(今春、同大学を卒業したが、事件発覚後に大学側は「卒業取り消し」の処分を行っている)によって連れ去られ、2年間自由を奪われていたが、一瞬の隙を突いて脱出に成功した。
「生徒の父親は会見で、『逃げる機会はこれまでもあったかもしれないが、慎重な子』と生徒の性格を話しています。間違いなく逃れられるという確信を得るまでに2年という月日がかかってしまったのでしょう」(社会部記者)
冒頭の言葉は、女子生徒が捜査関係者に話したものだ。今年2月、脱出に成功した東京都中野区東中野のアパートに移る前、女子生徒は千葉市稲毛区の3階建てアパートの最上階に監禁されていた。寺内容疑者が通っていた千葉大に道路1本を挟んで隣接し、間取りは6畳の洋室と和室がある2Kで面積は約40平米。築年数は31年と少々経っているが、風呂トイレ別で浴槽もバランス釜から給湯へリフォームされていた。
しかし、そこで行われていたのは「中学生のころから女の子を誘拐したい願望があった」と捜査関係者に話した、寺内容疑者による女子生徒へのおぞましい監禁生活だった。
筆者はこの「監禁部屋」の内部写真を入手した。部屋は南向きで採光に恵まれているが、女子生徒の存在を隠すために窓は遮光カーテンなどで始終覆われていたのだろうか。
「このアパートは壁も薄く、住んでいる人も『けっこう音は響く』と話していました。けれども、女性の声などはいっさい聞いたことがないとのことですから、寺内容疑者の厳しい監視下に置かれていたのでしょう」(同)