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パナソニックは日本電産のM&A戦略を真似たか

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パナソニック本社(「Wikipedia」より/Pokarin)
日本電産を真似ましたか」

 11月27日、パナソニックから「役員陣等について」という件名のメールが届いたとき、筆者はこう返信した。さぞかし、受信した広報担当者は「皮肉」と思ったかもしれないが、実はそのメッセージのなかには賞賛と提言が含まれている。同メールには「2016年1月1日付役員人事」というニュースリリースが添付されていた。内容は次の2点である。

・18年度販売10兆円に向けた非連続な成長を実現すべく、グループ&グローバル視点からのM&A戦略構築・実行を加速させるとともに、カンパニーにおけるM&A戦略構築・実行の支援等を目的として、コーポレート戦略本部傘下に「事業開発部」を新設する。

・役員の新任 片山栄一(新職=事業開発担当、コーポレート戦略本部 事業開発部長/片山氏は、10年にメリルリンチ日本証券に入社し、電機業界を担当してきた有名なアナリスト)

 津賀一宏社長は、かねてから「18年度販売10兆円に向けた非連続な成長を実現したい」と公言している。そして、15年4月には売上高を16年度に8.4兆円、17年度には9.1兆円にする目標を明らかにした。そのため、3月に4000億円に上る社債を発行し、18年度までに設備投資以外で約1兆円を投資する。

 リストラのフェーズが一段落し、攻めの姿勢に転じたものの、10兆円が保証されたわけではない。今回、M&A(買収・合併)を積極的に推進するため新組織を設け、外部から登用したアナリストを役員に据えたのは、達成不可能という声も聞かれた10兆円という目標を2018年度までに達成するために時間を買おうとしていると考えられる。

 その基本は、プラズマパネル工場(兵庫県・尼崎市)や三洋電機買収のような大規模ではなく、重点分野と据えている住宅事業や車載事業、さらにはBtoB(法人向け)ソリューションを中心に数百億円規模の投資を積み重ねようとしている。このような投資戦略により2008年度以降、のれん代や固定資産の減損により大赤字の元凶となった大規模投資のリスクを軽減することができる。

「知的ハードワーカー」集団


 電機業界だけでなく、日本の経済界全体を見渡しても、M&Aといえばすぐに頭に浮かぶのが京都に本社を置く日本電産である。同社は創業から現在に至るまで50件近くのM&Aを実現した。これが、永守重信会長兼社長が一代で売上高を1兆円まで引き上げたドライビングフォースとなったのは明らかだ。他社を買うだけでなく、M&Aに関する情報収集と交渉能力を強化するため、優秀な人材を外から集めるのも永守流である。