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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

ふわふわのベッドと枕は危険?安眠したいなら安っぽい「硬い寝具」を選ぶべき?

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あなたの寝相、大丈夫?


「Thinkstock」より
 寝相は人さまざま。上向き、横向き、うつ伏せといろいろあります。肺に関していえば、呼吸をするのが一番楽なのは仰向けです。ただし、太り気味の人、いびきをかきやすい人は横向きのほうがいいでしょう。仰向けで寝ると腹部が横隔膜を圧迫するので、肥満体形の人は息苦しくなります。また、舌根(舌の根元)がのどに下がって気道が狭まるので、いびきがひどくなる可能性があります。こういう方は横向きがいいでしょう。横に向くとお腹の重みがサイドに逃げて、肺を圧迫しないため安眠できます。横向きで寝るなら、抱きを脚の間に挟むのがお勧めです。両膝が重なっていると、膝が痛くなる場合があるからです。

 ではうつ伏せはどうでしょう?

 うつぶせは呼吸をしづらく、反り腰から腰痛になりやすいので、お勧めできません。とはいえ、人は寝ている最中に体勢をどんどん変えているのだとか。仰向けでも横向きでも、寝入りばなは自分が楽に感じる体勢で。首尾よく眠りにつけたら、あとは「寝返りを打ちやすいことが大切」だとおもいます。お勧めは胎児の姿勢、またはランニングの姿勢です。これは背骨や腰に負担がかからず呼吸も楽にできるのです。

 姿勢と共に大事なのが寝返りです。ずっと同じ体勢で寝ていると、腰や肩が凝ってしまって快眠できません。昼間1時間身動きせずに横になっていると考えてみてください。さぞあちこちが痛くなりそうでしょう。寝返りは寝ながら行うストレッチです。

 寝返りをバタンバタンと打てるように、寝具は硬めのものを選びましょう。高級ホテルのようなふわふわのベッドや枕は、体が沈みこんでしまい、寝返りを打ちにくいのです。羽枕の二段重ねは眠るまではゴージャスで快適ですが、寝てしまうと寝返りの妨げになってしまいます。

 さらに、枕の高さにも要注意。朝、枕が頭から外れているのは、高すぎて不快だった証拠です。逆に朝起きた時に、枕と頭の間に腕が入っているのは枕が低すぎるからです。無意識に腕を入れて高さを調節しているのですね。形状記憶型の枕も頭がすっぽりはまりすぎて寝返りの妨げになります。修学旅行の旅館みたいな安っぽい昔の枕がお勧めですよ。

 適度な高さの硬めの枕で、快眠を!
(文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長)

●秋津壽男(あきつ・としお)
秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1998年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「がんにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。