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『ストロベリーナイト』10話までずっと酷評の嵐→最終話のみ傑作でネット上に絶賛溢れる

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 二階堂ふみとKAT-TUN・亀梨和也がダブル主演を務める連続テレビドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)の最終回・第11話が20日に放送され、平均視聴率は前回から1.7ポイント増の7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。第1話の7.8%をわずかに上回り、低空飛行ながらも自己最高視聴率を更新して幕を下ろした。

 過去に竹内結子主演でドラマ化・映画化された『姫川玲子シリーズ』と呼ばれる誉田哲也著の小説を原作とした今作。まだ竹内版の記憶が新しい視聴者も少なくなく、放送前から、そして放送が始まってからも「二階堂ふみは姫川のイメージじゃない」「竹内結子と西島秀俊のコンビで続編をつくってほしかった」と批判が相次いだ。

 脚本も全体的にパッとせず、原作をしっかり読み込んでつくっていることは伝わるのだが、どの要素を省いてどこを描くべきかの選択がズレていると感じさせる部分が少なくなかった。原作の『姫川玲子シリーズ』は、謎解きや犯人捜しが主要素である一般的な警察小説とは異なり、主人公の姫川や部下の菊田をはじめとする登場人物たちの内面に重要な要素がある。それだけに、心理描写をあまり掘り下げない『ストロベリーナイト・サーガ』に対しては「浅い」「何もかも薄っぺらい」といった批判の声も多かった。

 役者陣にも違和感が満載。二階堂演じる姫川は「心の中に犯罪者に通じる闇を抱える刑事」との設定なのに、単に気の強い女性刑事にしか見えない。また、ダブル主演のはずの亀梨は影が薄く、姫川との絡みも非常に少ない。筆者も「たまに良い回があるものの、基本的にはハズレドラマだな」と思いつつ、視聴を続けた。

 だが、最終回だけは非常に良かった。詳細なストーリーは省略するが、最大の見せ場は、犯人に捕らわれた菊田(亀梨)を姫川が単身で救出に向かう場面。あと10分待てば特殊班が到着するという局面で、姫川はどうしても自分が犯人と交渉しに行くと言い張る。常識的に考えればおかしいが、ここで姫川は部下の1人を亡くした「ストロベリーナイト事件」(第1話)を引き合いに出し、「もうあんな思いはしたくない。だから菊田の命は私がこの手で守ります」と上司を説得する。第1話でいきなり部下が殉職したことが、最終回のクライマックスにつながる胸熱展開。

 犯人と対峙した姫川は、銃口を犯人に向けながら自身の過去を告白し始める。17歳の時に性的暴行を受けたこと、自分のことも許せないし、誰かを愛する資格もないと感じること。その呪いを解くとしたら、犯人をこの手で殺すしかないこと。カッと目を見開き、鬼気迫る表情で「何万回、何百万回、頭の中であいつを殺してきた」と叫ぶ姫川。身震いするほどの狂気に満ちあふれている。最終回にして、ようやく二階堂ふみが姫川玲子を演じたことの意味が生きてきた。この世のものではない何かにとり憑かれたような表情を一瞬で出す瞬発力は、若手女優のなかでは飛び抜けている。基本的に感情を抑える演技が多かった分、最後の最後に、心の中に閉じ込めてきた闇をぶちまける場面が生きてくる。

 ネット上でも、「二階堂ふみの演技が良すぎて泣いちゃう」「目ヂカラがすごくて、魅入ってしまった」「二階堂ふみの鬼気迫る長セリフに釘付け」「あの説得は姫川にしかできないし、あの演技は二階堂ふみにしかできない」と絶賛を集めた。

 姫川が犯人を説得している時、犯人に捕まっていた菊田はそれをすべて聞いていた。菊田にとっては初めて聞く姫川の過去と心の闇。姫川はこれまで、菊田との間に線を引いてきた。自身がいる闇の側に菊田を引き入れまいとする気遣いからだ。第6話では「菊田は知らないでしょ? 私のそういう怖いところ」と言い、暗に自分と菊田とはいる場所が違うと匂わせた。第9話では「(暴力団幹部の)牧田にあって俺にないものってなんですか?」と菊田に尋ねられ、「菊田にはわからないと思う」とあっさり切り捨てていた。だが最終回で、姫川は自身の闇を菊田に明かした。それは、「今の菊田なら闇の側に引きずり込まれることはないだろう」との信頼の表れだったのかもしれない。

 決して『ストロベリーナイト・サーガ』が全体的に良かったとは思わないが、フジテレビはこの最終回がやりたくて、まだ視聴者の記憶に新しい『ストロベリーナイト』を実質的にリメイクしたのか、とようやく腑に落ちたのも事実だ。逆に言えば、最終回まで見ないと納得できない作品になってしまったため、視聴率的に苦戦したのもやむを得ないといえよう。初回と最終回がきちんとつながってきれいに終わる構成は良かっただけに、各話の出来がもう少しよかったら、と惜しくてならない。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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