プロスペクトのプレスリリース「株主総会招集許可申立書の送達に関するお知らせ」

 東証2部上場のプロスペクトが岐路に立たされている。同社は1937年に繊維会社として創業し、62年に東証2部上場した老舗。91年に「ライオンズマンション」の大京と提携し不動産事業に鞍替えし、「グローベルマンション」を展開。2007年に大京から離脱した後は投資会社に事実上変貌し、上場株や不動産開発、太陽光発電所へのポジションを増やしてきた。しかし、保有資産の減損が相次ぎ、19年3月期には連結売上高63億円に対して経常損失67億円という有様であった。

 当期業績も低調が予想されるなか、ここにきてプロスペクトに攻勢をかけている勢力がある。同社筆頭株主の西村浩氏と、同氏の経営する太陽光関連会社の伸和工業である。プロスペクトとは14年から業務提携しており、直近の第2四半期(19年9月末)時点の持分は合わせて11.46%。西村氏は昨年11月に臨時株主総会招集を請求したが、プロスペクトは<議案の適法性に疑義があるものなどが含まれている>とし即座に応じなかった。そのため西村氏が今年1月24日に東京地裁に臨総招集を申し立てたのだ。

 プロスペクトの経営陣が難色を示したものがあるとすれば、3号議案だろう。西村氏は、取締役の選任について<株主西村浩が事前又は総会の会日の当日までに最終的に推薦する候補者から先議し>、定数に満たない場合は<西村浩が他の自薦他薦候補者の中から指名したものをその指名の順序で選任の是非を問う候補者とする>ことを提案している。事実上、西村氏の息のかかった者でボードメンバーを固めようとする提案だ。

 だが関係者によると、西村氏による攻勢に前後する今年1月末、証券取引等監視委員会がインサイダー取引の嫌疑で西村氏と伸和工業を家宅捜索したとのことである。西村氏は昨年2月14日、プロスペクトが場が引けた後に無配と特別損失を公表するという内部者情報を同社元執行役員(退職)から得て、300万株を不正に売り抜けた疑いがあるという。翌15日の同社株は一時ストップ安となっていた。

 インサイダー取引という初歩的なコンプライアンス違反の疑いがある勢力に、投資会社の命運が任せられるのか、という不安が残る。伸和工業に取材したが、担当者から折り返すとしたまま約2週間、返答がない。

(文=編集部)

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