ソフトバンクG、19年10-12月期決算を発表(写真:アフロ)

「いかにも、ソフトバンクグループ(SBG)らしいやり方ですね」

 そう口にするのは、スマホ評論家の新田ヒカル氏である。業績のよくない携帯電話販売ショップが次々と、ソフトバンクから閉店を迫られているという報道が、2月15日付けの「東洋経済オンライン」にあった。6割近い店舗が消えていくことになるという。これに関して、新田氏から聞いた。

「ソフトバンクという会社は、古くは固定電話の自由化の時代の新電電、ADSLの回線の普及の時でも、強引と言っていいほどに営業を推し進める社風でした。携帯電話についても同様に進めてきたわけです。こういうインフラ系の事業というのは、料金は大差がなくなるので、営業力が勝負になります。料金が一緒だったら、3大キャリアでシェアが3分の1ずつとなるのが普通です。だけど、NTTドコモやauはもともとブランドイメージも確立していたので、後発のソフトバンクは総合的な営業力に力を入れないと、シェアを広げられないということになります。そこに持っていくまでの間、(SBG会長兼社長の)孫(正義)さんとしてはゴリゴリと進めてきたのだと思います」

 携帯ショップは営業戦略の要だと見えるが、それが閉店させられるのはなぜなのだろうか。

「インフラ業はシェアをぐんぐんと広げようとする時は、実店舗というのは営業的に非常に重要な役割を果たします。NTTの営業窓口というのも30年くらい前は、地方でも郵便局のような感じがありました。20年くらい前から廃止が始まって、今はゼロになりました。携帯電話も同じで、これから携帯を持ちたいという人たちがいて、直に見たり触れてみたい、使い方を聞きたいという時期には、店舗がシェア拡大の拠点となりました。

 だけど、ここまで普及してきて、誰もがガラケーなりスマホを持っていて、あとは機種変更やプラン変更だけということになると、オンラインや郵送でいいということになります。店舗は次第に要らなくなっていくわけで、その場合、採算の取れていないところから閉じていくというのが合理性からいえば当然です」

 営業を推し進めていく時には力になってくれた携帯ショップが、状況が変わったからといって閉店を迫られる。これは仕方がないことなのだろうか。

「採算の取れないような店舗は、開けておくと生産性がマイナスになるわけですから、経営者の観点からいえば閉じるのは当然です。ただNTTドコモやauは、それを長期的段階的に行ってきています。ソフトバンクの場合、設定したノルマが達成できなければ閉店だということで、かなり急激に進めているという印象があります。

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