百貨店&アパレルが大打撃…消費増税→コロナ・ショックでリーマン並みの景気悪化局面にの画像1
春節直前の1月24日、上海から羽田行きの便に乗ってきた中国人観光客たち(写真:Kodansha/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大による“コロナ・ショック”が日本経済を襲っている。2011年の東日本大震災発生から9年を迎えた3月11日、日経平均株価は1万9416円で昨年来安値を更新した。

 帝国データバンクの試算によると、20年1~3月期の中国人訪日客によるインバウンド消費は直接的に約1422億円減少、関連産業への波及も含めると、約2846億円相当の売り上げ減少が見込まれるという。また、「TDB景気動向調査(全国)2020年2月調査」によると、全10業界、全10地域のすべてで景気動向指数を示す景気DIが悪化し、過去最多の51業種中50業種が悪化という状況だ。

消費税増税、新型コロナウイルスと2つのリスク要因が続いたことで、一時的にはリーマン・ショックに匹敵するほどの打撃がある」と語る、帝国データバンクのデータソリューション企画部産業データ分析課の窪田剛士課長補佐に話を聞いた。

旅館・ホテル、百貨店への悪影響が深刻に

――新型コロナウイルスによる問題は、インバウンドにどのような影響を与えているのでしょうか。

窪田剛士氏(以下、窪田) 中国からの訪日外客数は19年に約959万人に達し、そのうち団体および個人パック旅行は35.4%を占めます。訪日客全体の30.1%が中国からで、インバウンド需要のシェアとしては最大です。

 しかし、中国政府が国内の旅行会社に海外旅行の団体およびパック商品の販売中止を命じたことにより、日本は大きなインバウンド需要を失うことになりました。帝国データバンクの試算では、20年1~3月期の中国人訪日客による日本国内での消費額は、直接的に約1422億円減少すると見込んでいます。さらに、関連産業への波及を考慮すると、約2846億円に相当する売り上げが減少すると推計されます。

 この試算では、個人旅行については考慮していません。中国と韓国からの入国制限が強化されたこともあり、今後はさらに悪影響が大きくなることが考えられます。中国政府は海外旅行の販売停止について期間を設けていないため、終息が長引けば、景気の下振れリスクも継続することになります。

――そんな中、帝国データバンクでは「景気動向調査(全国)2020年2月調査」を発表しましたね。

窪田 20年2月の景気DI(景気動向指数)は前月比3.2ポイント減少で、7年ぶりに40を下回りました。これで5カ月連続の悪化、さらには10業界・10地域すべてで悪化しています。また、51業種中50業種が悪化しており、これは過去最多です。

 昨年の消費増税に加えて暖冬、そこに新型コロナウイルスの騒動が勃発したことで、人とモノの動きが停滞し、経済活動が弱まっています。また、モノが動かないことで運輸・倉庫業の景気DIは5.5ポイント悪化しました。地域別では、滋賀県の景気DIがもっとも悪化しています。これは、中国の取引先などの影響に加えて、大阪府との結びつきが強いため、大阪の悪化が滋賀にも影響をもたらした結果と見ています。

――業種別では、やはり宿泊・ホテル業、旅行代理店がもっとも打撃を受けていますか。

窪田 旅館・ホテルの景気DIは過去最大の下落幅で、水準自体もかなり低く、リーマン・ショック後と同じくらいのレベルにまで落ち込んでいます。予約のキャンセルが相次いだことで見込み客を逃し、さらに新規客の獲得もできなかったという事情が大きく響いたといえます。また、国内外ともに旅行を控える動きが加速しているため、旅行代理店も同様に苦境に立たされています。

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