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今、ラブホテルの需要が急激に高まっている理由…従業員が明かす“利用客と部屋”の裏側

文=後藤豊/フリーライター
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「gettyimages」より

 新型コロナウイルス騒動により外出の自粛が相次ぎ、夜の街から人影が少なくなっている。本来なら給料日後で活気づくはずの2月29日も繁華街に人の姿は少なく、すでに飲食店などに大きな打撃を与え始めている。

 そんななか、騒動の影響で需要が高まっている業界もあるという。そのひとつが「ラブホテル」だ。

「騒動が起きてから、客数は通常の2割増くらいになっています。ウチはお酒や食べ物の持ち込みが自由なのですが、チェックアウト後の部屋を掃除すると、ビールやレモンハイの空き缶が増えていますね」

 こう語るのは、埼玉県某市のラブホテルチェーンに勤務する女性だ。彼女いわく、「いつもならお酒を飲んでから来るカップルが、居酒屋に行かずに直行してくる感じです」とのこと。

 3月7日10時半現在、埼玉県の新型コロナウイルス感染者は6人で東京都(58人)や神奈川県(40人)などと比べて少ないが、対策は怠っていないという。

「人から人へ移る感染症なので、掃除はいつもより入念に行っています。お客さんに移るのが怖いのではなく、私たちが感染しないよう、マスクと手袋の着用、アルコール消毒を徹底しています」

 ラブホテルにおいて、部屋が一番きれいなのは朝のチェックアウト後の「10時以降」だという。

「お客さんが帰ると、まずトイレと風呂を入念に洗い、最後にベッドメイキングをするのですが、チェックアウト直後は次のお客さんが来るまでに時間的な余裕があるため、掃除機をかけます。休憩利用の後などは、ベッドメイキングとトイレ・風呂の掃除だけです」

 逆に、平日の夕方以降や休日の日中は「休憩利用が多くなるため回転率は良いのですが、掃除が大変です。あまりに忙しいと使用済みタオルでコップを拭くこともあるので、クリーニング済みの袋に入っていても使わないほうがいいでしょう」という。

 また、最近は電気マッサージ器を常備しているホテルも少なくない。もちろん、ホテル側はその都度除菌してクリーニング済みの袋に入れるが、あまり安心しないほうが良さそうだ。

「単に袋に入れただけ、ということもあるので、使う場合はよく拭いたりしてからにしないと、性病が移る可能性もあるかもしれません。私が彼氏と入ったら?『絶対イヤ』と言います」

恥ずかしい忘れ物、トイレに捨てられた注射器

 彼女の仕事は主にフロント業務で、掃除は「暇なときに手伝う」ぐらいだという。

「通常は2人1組の掃除ですが、人出が必要となるのが“糞尿プレイ”をされた後です。部屋の窓を開けて換気をするのはもちろん、消臭剤もいつもより多めにまきます。ウチは休憩2時間で3000円の安いチェーンなのですが、以前勤めていた高めのホテルよりも部屋を汚されがちです」

 忘れ物も日常茶飯事だ。財布や携帯電話が多いが、なかには「おもちゃの入ったカバン」を取りに来る男性客もいたそうで、「念のため中身を教えてください」と言うと「バ……バイブ、ローター、ローション、ロープです」と恥ずかしそうに答えたという。

 また、少なくないのが違法薬物だ。ゴミ箱に覚醒剤のパケ(小袋)が捨てられていることもしばしばで、薬物常習者の場合は入店の際に目つきでピンとくることもあるという。

「半年前、トイレに捨てられた注射器が詰まって水が流れなくなったんです。その部屋は3日ほど使えなくなりました」

 さらに、デリヘル関係とおぼしき「1人入店」「1人退店」はもちろん、親子ほどの年齢差を感じるカップルの入店も少なくない。おそらく、パパ活や出張ホストの類いなのだろう。

「ウチのホテルはフロントでお客さんの顔が見えるので、興味本位で見ちゃいます」という彼女に「見た目でOKだと思った男は10人中何人くらい?」と聞くと、「値段が高いホテルでは2人くらいいましたけど、今は100人に1人くらいです」という答えが返ってきた。

 最後に、巷で都市伝説のように言われる「ラブホテルの部屋の中には隠しカメラがあるのでは?」について聞いてみた。

「部屋にはありませんが、防犯上、廊下には設置しています。だから、廊下でキスしていると、ばっちり見えますよ。そういえば、少し前に1人で入店してきた男がホテル内に仕掛けたカメラを発見したことがあります。観葉植物の裏で赤く光ったので、すぐにわかりました」

 誰でも簡単に撮影ができるようになったものの、盗撮行為は犯罪だ。デリヘル業者が違法撮影をした客に求める罰金の相場は100万円にも及ぶという。もちろん、ホテル側も「そういう行為を見つけたら警察に連絡することになるでしょう」とのことだ。

(文=後藤豊/フリーライター)

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

1966年千葉県生まれ。東京都内の中小会社でタクシードライバーを兼務するライター。競馬と野球をメインに、雑誌や書籍で執筆をしている。主な著書に『テイエムオペラオー伝説』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(ともに星海社、共著)などがある。

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