アパレルブランド、上場12社の半数が赤字…三陽商会は4期連続、ワールドは脱百貨店への画像1
三陽商会本社(「Wikipedia」より)

「ダーバン」「アクアスキュータム」などを展開するレナウンの倒産が衝撃を呼んでいるアパレル業界では、百貨店に出店するブランドを展開する上場主要12社(以下、百貨店ブランド)の本決算が出そろった。それによると、8社が減収、6社が最終赤字を計上しており、厳しい経営状況がうかがえる。

「ビジネスモデルの“脱百貨店化”を進めているのは、ごく一部。今後も消費低迷を受けて、特に高価格帯衣料や服飾雑貨販売の伸び悩みが続くことが予想される」と語る、東京商工リサーチ情報本部情報部の二木章吉氏に話を聞いた。

三陽商会は4期連続の最終赤字

――百貨店ブランド12社の本決算を、どのように見ていますか。

二木章吉氏(以下、二木) 各社の期初予想では減収は6社でしたが、結果的には8社が減収となりました。10カ月の変則決算となったレナウンと14カ月決算の三陽商会は、この減収企業には含んでいません。やはり、消費税増税と暖冬、さらに新型コロナウイルスによる外出自粛の影響が大きく、特にコートやダウンなどの重衣料をはじめとした高価格帯商品の販売不振が響きました。

――特に厳しい企業はどこでしょうか。

二木 4期連続で最終赤字の三陽商会は、昨夏に20代後半~30代前半の女性をターゲットにした新ブランド「CAST:(キャスト)」を立ち上げ、約半年の間でいきなり30店舗を出店しましたが、それらの施策も芳しくなかったとみています。2022年2月期には黒字化を目指していますが、21年2月期も赤字はやむなしという構えです。

 同社の「再生プラン」では、セールではなく定価で販売する方針が示されています。しかし、外出自粛と消費低迷が続く中、この春、ヤング向けを中心に、各社は自社のオンラインストアで異例のセールを連発して在庫を整理している状況です。この消費低迷の期間によっては、このプランが奏功するかは不透明です。

――ほかの赤字企業の状況は。

二木 「23区」「Jプレス」などのブランドを展開するオンワードホールディングスは、前期に海外の不採算事業・店舗の閉鎖や希望退職の実施による特別損失が大きく膨らみ、521億円の赤字となりました。ただし、ECに注力していることもあり、来期以降は黒字化を目指しています。

「ピエール・カルダン」のライセンスなどを手がける婦人服製造・販売のラピーヌは2期連続赤字で、昨年は希望退職による40名の人員削減を行いました。

「ニューヨーカー」を展開するダイドーリミテッドも2期連続の赤字で、4月に中国の工場を一部停止し、人員のリストラも発表したばかりです。特別退職金の積み増しもあるため、今期の決算も注目されています。ただ、不動産事業の比率が高まっていることから、アパレル以外で収益を確保する体制に向けて動いているのではないでしょうか。

 いずれにしろ、高価格帯商品に依存している百貨店ブランドは、今期も減収が避けられないとみています。

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