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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

都知事選「小池百合子が圧勝で再選」だけはダメな理由…“自分以外の女性を潰す”恐ろしい姿

文=神澤志万/国会議員秘書
都知事選「小池百合子が圧勝で再選」だけはダメな理由…自分以外の女性を潰す恐ろしい姿の画像1
東京都の小池百合子知事(写真:Pasya/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除になり、美術館や映画館も再開されましたね。神澤も、東京駅構内の東京ステーションギャラリーで6月28日まで開催されていた『神田日勝 大地への筆触』展へ行ってきました。

 日勝は東京から家族とともに「拓北農兵隊」として北海道の河東郡・鹿追町に移住し、農業に従事しながら絵を描き続けた孤高の画家です。2019年のNHK連続テレビ小説『なつぞら』に登場する山田天陽のモチーフとなった画家といったら、ピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ドラマのなかの多くのエピソードが日勝の人生と重なっていると、注目されていました。

 ギャラリーは時間予約制で、「密」にならないように配慮されていました。神澤のなかでは、絶筆で未完の『馬』という作品のイメージが強く、「日勝といえば馬の絵」と思っていたのですが、ほかにもいろいろなテーマの作品があって楽しめました。

 日勝の心の内が伝わってくるような筆遣いのインパクトと、構図のダイナミックさに圧倒されました。やはり、芸術に触れると心も五感も刺激されて、活力が湧き出るような気がします。

小川議員が「総理大臣になれない理由」とは

 もうひとつ、注目されている映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』も観ました。小川淳也衆議院議員(立憲民主党・無所属フォーラム)を追ったドキュメンタリーです。「世界の大島」といわれた大島渚監督の次男の大島新さんが監督を務めたことでも話題で、気になっていました。

 小川議員といえば、19年に厚生労働省の統計不正を追及して「統計王子」とネット上で話題になりました。東大卒で元官僚という経歴なのですが、なんか地味ですよね。普通に感じのいい方ですよ。

 小沢一郎議員の秘書だった石川知裕議員が10年に逮捕されたときには、政府の一員である総務大臣政務官の立場で「石川知裕代議士の逮捕を考える会」に出席して問題になったこともあります。このときも、きちんと「(自分と同期の)石川さんの身の上を心配している」と明言して、「男前だねー」と話題になりました。

 先に鑑賞した知人たちによると、「絶対に2回は泣く」「感動して、終わった後にしばらく立てなかった」「観た人はみな、小川淳也のファンになる」などと前評判がとてもよかったのと、ドキュメンタリーなので「知り合いもたくさん映っているんだろうなー」という冷やかしの気持ちもあって、行ってきました。

 映画館も、建物とシアターの入り口での手指の消毒、座席数は通常の半分、上映中もマスク着用という厳戒体制でした。作品には、議員会館でお見かけしたことのある秘書さんたちが出演されていて、小川議員の地元の香川県高松市だけでなく、国会や議員会館にもカメラが入っています。

 撮影は03年から続けられていたそうで、ところどころ時代背景も説明されていて、自分の秘書人生と重ねてしまいました。「あの頃の神澤は、あの議員の秘書として選挙をしてたんだなぁ」とか、「そうそう、こういうひどい発言する有権者っているよねー」とか思いながら観ていました。

 小川議員の人柄や議員人生の苦悩などが伝わり、本当に感動して涙が出る作品でした。映画を観た秘書仲間は「うちのボス、小川議員と親交があるんだけど、小川議員と比べると演説の内容が薄っぺらくて、政治家としての使命感の差を思い知らされるわ」と嘆いていました。

 何度もお伝えしていますが、心から尊敬できるボスのもとで仕事ができることは秘書冥利に尽きます。そういう意味では、小川議員の秘書さんたちをとてもうらやましく思ったのでしょう。

 当選5期で自分の政策グループさえない小川議員のことを「人望がない」と言う人もいますが、小川議員にないのは「親分気質」でしょうね。永田町では、後輩たちと飲食を共にして一緒にお酒を飲んだり、タイミングよく「餅代」を配ったりできる人が「人望がある議員」と言われますが、そういうタイプではないのでしょう。

 作品ではマイホームも公開されていましたが、2DKのアパートで驚きました。その質素な住まいで現在大学生の2人のお嬢さんを育て上げており、本当の意味で「庶民派議員」なのだと思いました。

 ただ、永田町では庶民派議員は出世できないのです。まじめなだけでは、これからの選挙はなかなか勝てないと思います。今後、小川議員はどのような選挙をするのか、注目していこうと思いました。

「小池知事が圧勝で再選」だけは避けるべき

 この映画を観て、あらためて「都知事選で現職の小池百合子知事を圧勝させてはいけない」と強く思いましたね。作品にも出てきますが、17年10月の総選挙で、希望の党党首だった小池氏の「排除発言」が波紋を呼んだことは、みなさんもご記憶だと思います。あの発言が野党を大混乱させ、多くの有能な候補者が落選しました。

 そして、今も野党内には禍根が残り、立憲民主党と国民民主党の合流話は進んでいません。これでは、長期すぎる安倍政権に対抗できる強い野党は生まれません。

 6月19日からは東京都知事選挙(7月5日投開票)の期日前投票が始まっていますが、各社の出口調査結果では、どれも「現職支持」が60%以上と圧勝の見込みが報じられています。

 でも、圧勝させて小池知事を調子に乗らせてはいけないと、危機感を持っています。小池知事によって、東京が、日本が、いい方向に進むことはないと思っています。

 ちなみに、神澤も読んでみましたが、石井妙子さんの『女帝 小池百合子』(文藝春秋)がベストセラーになっていますね。著者の覚悟が伝わってきます。多くの人が読んで「反小池」になってほしいですが、都知事選には間に合わないでしょうね。

 本書を読んだ知人や、永田町時代の「小池先生」を知る人たちは、みんな「こんな人を、また都知事にしてはいけない」と声を揃えています。神澤も、かつての小池氏が「女性差別と戦っているように見せて、ほかの女性を潰す姿」を見ていたので、恐ろしいです。

 元キャスターの優しい語り口でビジョンを聞かされると、バラ色の未来が待っているような気になってしまいますが、だまされてはいけません。そもそも、前回の選挙公約だった満員電車など「7つのゼロ」の大半は未達成ですよね。「ペットの殺処分ゼロ」は達成できているようですが、それは現場の獣医さんや行政の担当者、ボランティアの方々ががんばったおかげでしょう。

 東京の感染者が再び増えてきたため、6月30日には新たなモニタリング項目を公表しましたが、数値的な基準は示されませんでした。これから専門家による分析が行われるとのことですが、数値が明示されていないのに、どうやって専門家が状況を判断するのでしょうか。耳障りがいいものの具体策がなく、責任逃れの最たる例だと思います。

 このままでは「小池知事再選」の流れは止められないと思いますが、有権者のみなさんはぜひ投票に行って、自分が選んだ候補者の名前をしっかり書いてきてください。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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