山尾志桜里議員、国民民主へ入党で小沢一郎に再びすり寄りか…態度が豹変した4年前の抜擢
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
国会が閉会にあたって何かとバタバタするのは、もはや「恒例」なのですが、今回もまた野党の「意味あるの?」というバタバタ劇がありました。会期末には各委員会で閉会のための手続きを行うのですが、立憲民主党など野党4党は6月17日午前中に予定されていた委員会には出席せず、議長に「会期延長の申し入れ」を行いました。
延長の申し入れがされると、慣例で、申し入れを議院運営委員会で採決するまで、ほかの委員会を開くことができないようになっています。そのために、朝早くから国会に来ていた議員たちは待ちぼうけをくらうことになりました。委員会の準備をする職員や秘書たちも予定が変更になるので、その調整で大忙しになります。
しかも、今回は会期を「12月28日まで」として、事実上の通年国会を提示したので、国会女子たちはあきれるしかありませんでした。そんな会期は、あまりにも非現実的です。「いろんな意味であり得ない。『やってる感』を出そうとしているだけで、本気でやる気ないでしょ」と陰でブツブツ言っています。
まぁ、確かに安倍政権は新型コロナ対策も国民に不評ですし、安倍晋三首相自身のさまざまな疑惑も問題ですから、議論すべきことはたくさんあります。それなら、いっそのこと内閣不信任決議案を出して与党議員も取り込むくらいの覚悟を見たかったです。
ただ、今は解散総選挙をにらんだ野党共闘も進んでいないので、不信任案を出して「逆ギレ解散」になったら太刀打ちできないと考えたのだと思います。
山尾議員、突然の国民民主入党は選挙対策か?
そんななかで、6月16日に突如記者会見を行い、国民民主党への入党を発表した山尾志桜里衆議院議員にもびっくりしました。「なぜ今?」としか言えません。
会見の1時間前くらいに、国民民主党の前原誠司衆議院議員や日本維新の会の主要議員が中心となって設立された「新しい国のかたち協議会」という勉強会が開かれていました。そこには国民民主党の選挙対策の役員なども参加していたのですが、誰も山尾議員の入党や会見について知らなかったようです。ニュース速報で知った国民民主党の議員たちが「まったく聞いてない」と驚いていました。
なぜ山尾議員は国民民主党を選んだのでしょうか。やはり、選挙対策としか考えられません。記者会見では「憲法の議論を前向きにしている党だから」と説明していましたが、総選挙が迫りつつあるなか、政党に属して比例での重複立候補を可能にしておくことで、もし選挙区で惜敗しても比例での当選を狙っているのだと思います。
山尾議員の選挙区の愛知県内を分析すると、国民民主党は、どの機関の調査でも支持率こそ1%程度と低迷していますが、県内の衆議院議員は6名、支部長は15選挙区中9人も決まっています。
共闘も噂される日本維新の会は、愛知県内の衆議院議員は1人しかおらず、支部長もその1人だけです。それにもかかわらず、大阪府の吉村洋文知事の人気のおかげで、支持率は4%以上あります。維新と国民民主がうまく選挙協力を行うかたちになれば、山尾議員にも追い風になることが予想されますよね。
それに、国民民主党には「あの小沢一郎議員」がいます。もうみなさんお忘れかと思いますが、山尾議員は初当選時は「小沢ガールズ」の筆頭格でした。選挙戦略に長けている小沢秘書軍団が助けてくれるかもしれないのですから、またすり寄っているのでしょう。
あの頃は、みんな一緒に政策をつくる仲間だったのに……。山尾議員が初当選した2009年当時を知る秘書たちは、みんながっかりしていると聞いています。変わってしまったのは、16年に民進党の政務調査会長に就任したあたりからのようです。秘書仲間は、「あの頃から急に『私は国会議員、あんたたちは秘書』みたいな感じになって、普通にお話ができなくなったなぁ」と言っていました。その後は不倫問題などもあり、政治家としての迷走ぶりは報道の通りですね。
一方で、元同級生によると、東京大学の学生時代からしたたかだったという話もあります。とはいえ、ダントツにかわいい「才女」という言葉がぴったりの雰囲気だったのでしょうね。
今はそんな雰囲気もない感じですが、妙な色気はあるんですよね。今回の入党劇も「玉木雄一郎代表がやられちゃったんじゃない?」と国会女子は冷ややかに見ています。果たして、山尾議員の目論見通りになるのでしょうか。すべては、選挙後にはっきりすると思います。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。